岸本ビルヂング

岸本ビルヂングについて

岸本ビルヂング（きしもとビルヂング）は、東京都千代田区丸の内二丁目に位置するオフィスビルです。1926年に建設され、長い歴史を持つこのビルは、オフィス機能に加えて周囲の景観との調和を考慮した設計が特徴です。

歴史的背景

ビルが建てられた地では、元々時事新報社が1937年に三菱合資会社から土地を借り受け、桜井小太郎の設計のもと、時事ビルとして当時の先進技術を駆使して建設されました。この建物は、5階建てと地階を含む大規模なものであり、当時のトレンドを反映したものでした。屋上には伝書鳩の小屋があり、案内役として荷物の運搬を行っていました。

1937年、大阪の商社である岸本商店がこのビルを取得し、その名前を岸本ビルディングに改名しました。翌年には、新たに不動産管理会社が設立され、ビルの管理が強化されました。歴史的にこのビルの北側には1927年に完成した内外ビルディングがあり、両者は地域のオフィスエリアにおいて重要な役割を果たしてきました。

1970年には内外ビルと三菱合資会社との間で長期借地契約が更新されましたが、その後も様々な経緯をたどり、両ビルの老朽化が進む中で、1982年には岸本ビルの借地契約が終了。これにより三者間での建替えに関する話し合いが開始されました。

三菱地所は、岸本ビルと内外ビルを一体で再建する提案をしましたが、内外不動産との意見の相違がありました。その結果、共同事業として新たな岸本ビルヂングを建設することが決定され、1980年に竣工しました。

建築の特徴

新しく誕生した岸本ビルヂングと斜向かいに位置する丸の内三井ビルは、外観デザインに統一感を持たせるよう工夫されています。特に、両ビルの高さが揃えられ、共通の煉瓦貼りのカーテンウォールが採用されています。このデザインは、周囲の環境との調和を図るためのものです。

また、両建物の地下には駐車場が設けられており、共通の出入り口を設けることで、周辺の交通渋滞を緩和する工夫もなされています。特に東側には三菱電機ビルヂングとの近接性が考慮され、周囲との一体感を持たせています。

まとめ

岸本ビルヂングは、東京丸の内というビジネスの中心地に立地しながら、その設計や歴史を通じて地域の発展に寄与してきました。古き良き時代のビルから生まれ変わり、現代のビジネスニーズにも応えるこの建物は、訪れる人々にとっても魅力的です。近隣の交通機関の利用もしやすく、ビジネスマンにとって便利なロケーションとなっています。

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