岸本正雄

岸本正雄の生涯と業績

岸本正雄（きしもと まさお）は、1881年10月19日に鳥取県で誕生し、1963年5月20日に亡くなった、日本の内務及び警察官僚である。彼は政友会系の官選県知事として、樺太庁長官の地位にも就いた人物である。

幼少期から学びの道へ

岸本は、税吏の父・岸本俊一の長男として育った。家族の転勤に伴い、東北地方で過ごすこととなり、福島県立会津中学校を卒業後、第二高等学校に進学。ここでの学業に励み、1906年に東京帝国大学法科大学法律学科を卒業し、同年11月に文官高等試験の行政科に合格した。この結果を受けて内務省に入省し、北海道庁に配属されることとなる。

官僚としてのキャリア

内務省での彼のキャリアは、秋田県事務官から始まり、山形県や滋賀県、福岡県、香川県、関東庁など、日本各地での要職を歴任した。彼は特に県警察部長としても名が知られており、地域の治安維持に尽力していた。

秋田県知事としての取り組み

1922年10月、秋田県知事に就任した岸本は、農業政策の合理化を進めるため「三職兼務制」を導入した。この制度では、町村農業技術員、産米検査員、農業補習学校教員の役割を一体化させ、効率的な農業の推進を図った。彼の取り組みは地域の農業に多大な影響を与えた。

山形県知事とその後の経歴

1924年6月には山形県に転任し、小作問題に対応するために労力を尽くしたが、同年12月に辞職。その後、1927年5月に岡山県知事、1928年5月には広島県知事に就任し、それぞれの職位で様々な政策を推進した。特に広島県知事時代には左翼思想の取り締まりに注力したが、1929年に辞職。

樺太庁長官としての役割

1931年12月、岸本は樺太庁長官に就任。しかし、犬養内閣の退陣を受けて1932年7月に辞職し、退官となった。この後は、天童市や山形市で農業開拓に取り組み、独自の農業構想を実現するべく尽力した。

家族の側面

岸本正雄の妻、岸本テツは、愛国女学館の創立に関わるなど、教育界でも重要な役割を果たした。彼とその家族は、地域の教育や農業の発展に寄与してきた。

最後に

岸本正雄の功績は今も語り継がれており、彼の活動は日本の地方行政や農業政策の発展において不可欠なものであった。彼の生涯は、官僚および地方政治家としての重要な役割を担っていたことを示している。

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