犬養内閣

犬養内閣について

犬養内閣（いぬかいないかく）は、昭和6年12月13日に犬養毅が内閣総理大臣に就任し、昭和7年5月26日までの156日間にわたった日本の内閣です。この内閣は主に立憲政友会を基盤としており、内閣発足当時は衆議院で174議席の少数与党政権としてスタートしました。

組閣と閣僚人事

犬養内閣の発足には、次のような閣僚が揃えられました。まず、内閣書記官長や法制局長官は1931年12月13日に任命され、その数日後には政務次官や参与官も設置されています。このように内閣の組閣が進む中、内閣としての体制が整えられました。

しかし、1932年5月16日には高橋内閣の総理大臣が臨時で兼任し、内閣の運営が一時的に変わる局面も見られました。

経済政策と内閣の動き

内閣が発足以後、蔵相の高橋是清は速やかに金輸出再禁止を実施し、金本位制から管理通貨制度へと移行しました。また、立憲民政党政権によるデフレ政策をインフレ政策へと転換し、世界恐慌以来の不況への対応に取り組みました。このような積極的な経済対策により、国民や企業から期待が寄せられました。

さらには、満洲事変や上海事変を経て、内閣にとっての追い風となる出来事が続きました。特に1932年1月の衆議院解散・総選挙では、301議席を獲得し衆議院での圧倒的多数を確保することに成功しました。この結果、内閣の支持基盤はより強固なものとなり、内閣は堅実な政権運営を行っていくことが可能となりました。

外交と内閣の立場

満洲事変の影響が日本の政治に及ぶ中、1932年3月1日に満洲国が建国された際、犬養内閣はこれを承認しませんでした。あくまで中華民国に対する友好的な態度を維持し、戦争回避を目指した姿勢を示しました。この考えは、軍部からの反発を招くこととなり、次第に困難な政局へと繋がっていくのです。

暗殺とその後

内閣の方向性を巡る対立は、新たな危機を引き起こしました。特に、内閣の宥和政策に対する批判は高まり、1932年5月に血盟団の一員である海軍青年将校たちによって犬養毅が暗殺される事件（五・一五事件）が発生します。この結果、内閣は総辞職し、宮中席次に従って高橋是清が内閣総理大臣の臨時兼任を行うこととなりました。

この事件を契機に、日本は軍国主義の方向へ急速に傾斜していくことになり、犬養内閣は事実上、戦前日本における最後の政党内閣としてその幕を下ろしました。

結論

犬養内閣の時代は、日本の政治史において重要な転機となり、経済政策や外交の選択が後の日本に多大な影響を与えました。この内閣の短期間の活動は、後の日本の政治形態を大きく変える要因となったのです。

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