岸田おろし

岸田おろしとは

岸田おろし（きしだおろし）は、2024年に自民党内から自由民主党の岸田文雄内閣総理大臣に対して退陣を求める動きが強まった事象を指します。この動きは、岸田首相の政策や内閣運営に対する不満が蓄積された結果として現れました。

背景

岸田首相は2021年10月に内閣総理大臣に就任し、その後行われた衆議院議員総選挙でも勝利を収め、しばらくは内閣支持率が高い水準を保っていました。しかし、2022年7月に安倍晋三元首相が銃撃され、その事件を受けて自民党と旧統一教会との関係が明らかになると、支持率は急激に低下しました。特に、閣僚のスキャンダルが相次いだことが問題視され、岸田首相の対応が後手に回ったことも批判につながりました。

その後、一時的に支持率が持ち直しましたが、2023年にはマイナンバーカードを巡るトラブルや少子化問題への評価が厳しく、再び支持率の低下が見られました。このような状況下で、岸田首相が主導した政治資金パーティーの資金に関する裏金問題が浮上し、内閣支持率はさらに悪化、結果的に自民党内からの信任が問われることとなりました。

内閣の危機

2024年に入り、岸田首相の地位が危うくなる中、自民党内での退陣要求が高まりました。特に、次期衆院選への不安感が漂う中、様々な党内会合で岸田首相への批判の声が上がり始めました。幹部らが公開の場で退陣を促す事例も見られたようです。

退陣へ向けた動き

2024年6月には、東国幹衆議院議員が党会合で総裁選に出馬しないように促す発言をし、菅義偉前首相も政治不信の原因は岸田首相にあると述べました。さらに、笹川博義議員や古川直季議員からも岸田首相の責任を求める強い声が上がり、特に古川氏は後任として小泉進次郎氏を指名しました。

岸田首相はこのような声を受け「厳粛に受け止める」と発言し、党内の意見に対応する姿勢を示しましたが、地方組織からも退陣要請が相次ぎ、状況は厳しくなっていきました。

総裁選不出馬・退陣の表明

2024年8月14日、岸田首相は記者会見を開き、9月の自由民主党総裁選挙に出馬しないことを正式に表明しました。その後、10月1日に第2次岸田内閣は総辞職し、岸田文雄は内閣総理大臣の職を退いたことになります。この一連の動きは、自民党内の政治的な変革を促進し、岸田おろしとして記憶される事件となりました。

まとめ

岸田おろしは、政治の世界における内閣支持率の変動や党内の権力闘争を象徴する出来事でした。岸田氏の政権運営が厳しい状況に直面し、強い内部からの反応があったことは、今後の自民党内部の動向にも影響を与えることでしょう。

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