岸辺成雄

岸辺 成雄（きしべ しげお）の業績と影響

岸辺成雄は、日本の音楽学界において特に注目すべき存在です。彼は1912年6月16日に東京で生まれ、教育者である岸辺福雄の子として育ちました。彼の学問の道は、1932年に東京帝国大学文学部東洋史学科に入学したことから始まります。卒業後は、第一高等学校の教授として教育に従事し、その後1949年には東京大学教養学部の助教授へと昇進しました。

1961年には『唐代音楽の歴史的研究』の功績で東京大学から文学博士号を取得し、その業績が認められて学士院賞を受賞しました。翌1962年には東京大学の教授に昇格し、1973年に定年退官するまで教育に尽力しました。その後も名誉教授として帝京大学に転任し、その役割を果たしました。岸辺はまた、東洋音楽学会の会長としても活動し、音楽界におけるリーダーシップを発揮しました。

彼の研究の中でも特に注目すべきは、中国の唐代音楽史です。岸辺の研究は、東洋の音楽を深く探求するものであり、日本における民族音楽学や比較音楽学の基盤を築いたと言えます。その功績は、国内外で評価され、彼の学問は多くの後進の研究者に影響を与えました。

主要著作

岸辺成雄は数多くの著書を執筆しています。これらの著作は彼の専門性を示すものであり、学術的価値が高いです。主な著作には次のようなものがあります。

• - 『東亜音楽史考』（1944年、竜吟社）
• - 『東洋の楽器とその歴史』（1948年、弘文堂書房）
• - 『音楽の西流 サラセンよりヨーロッパへ』（1952年、音楽之友社）
• - 『唐代音楽の歴史的研究』（1960-61年、東京大学出版会）
• - 『The traditional music of Japan』（1966年、国際文化振興会）
• - 『古代シルクロードの音楽 正倉院・敦煌・高麗をたどって』（1982年、講談社）
• - 『天平のひびき 正倉院の楽器』（1984年、音楽之友社）
• - 『江戸時代の琴士物語』（2000年、有隣堂）

さらに、彼は共著や翻訳も数多く手がけています。例えば、『世界の女性史 17 中国 2 革命の中の女性たち』や『津軽箏曲郁田流の研究 歴史篇』（笹森建英共著）などがあります。また、比較音楽学に関する著作も多く、国際的な視点から音楽の多様性を探る重要な研究を行っています。

まとめ

岸辺成雄はその活動を通じて、日本における音楽研究の発展に多大な貢献をしました。彼の研究と著作は今もなお、多くの研究者や音楽愛好家に参照され、影響を与えています。音楽学の分野での彼の位置づけは、今日でも色あせることなく、後世に語り継がれていくことでしょう。

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