島木譲二

島木譲二の生涯と業績

島木譲二（しまき じょうじ、1944年9月13日 - 2016年12月16日）は、兵庫県尼崎市に生まれた日本の著名なお笑い芸人、プロボクサー、俳優です。本名は濵伸二（はましんじ）で、芸名には映画『俺は待ってるぜ』に登場するボクサーの名が由来しています。興國商業高等学校を卒業後、彼は野球やボクシングでも名を馳せました。

初期の経歴

少年時代から、映画やスポーツに心奪われた島木は、特にボクシングにのめり込みました。彼はミドル級のプロボクサーとしてデビューし、西日本新人王を獲得するなど華々しい成績を収めました。しかし、目に異常をきたし、やむを得ず引退を決意。その後もボクシング界と関わりを持ち続け、交流のあったアポロ嘉男が経営するボクシングジムのアドバイザーや役員を務めるなど後進の育成にも尽力しました。

引退後は警備員として生計を立てつつ、新たな道を模索していた彼は、あるリハビリを機に時代劇の切られ役のオファーを受け、吉本興業の地方巡業に参加することになりました。1980年、友人の間寛平の紹介で吉本興業へ入団し、芸名「島木譲二」でデビューを果たします。

お笑い芸人としての成功

彼の芸人としてのキャリアは遅咲きであり、36歳からのスタートでしたが、その独特なキャラクターと肉体を張ったギャグで瞬く間に人気者となりました。特に、42歳の時に生み出した「パチパチパンチ」は彼の代名詞ともなり、お笑い界で広く知られるようになりました。

彼の持ちネタには、上半身を裸にし、胸を叩く「パチパチパンチ」の他に、アルミの灰皿を使った「ポコポコヘッド」や、一斗缶を叩く「カンカンヘッド」などがあります。これらはすべて身体を使った迫力あるパフォーマンスで、特に「カンカンヘッド」は「男のロマン」と称され、後輩たちにも多くの影響を与えました。

島木の芸風は観客と共に楽しむスタイルであり、一種の「人間喜劇」として多くのファンの心に残りました。特に、アドリブを交えたユーモアや共演者との掛け合いから生まれる笑いは、観客に強い印象を与えました。彼は時にはシリアスな役を演じながらも、常に観客を楽しませる姿勢を崩さず、バラエティ番組や映画にも積極的に出演しました。

晩年と追悼

2010年に大阪・なんばグランド花月での公演が彼の最後の舞台となりましたが、その後は体調を崩し、2016年に脳溢血で亡くなりました。彼の訃報は多くのファンや共演者に深い悲しみをもたらし、通夜には多くの芸人仲間が参列しました。

死後も彼のネタは愛され続け、2022年には新喜劇の後輩芸人が彼のスタイルを継承することになりました。島木譲二は、時代を超えたお笑いの巨星として、今もなお多くの人々の心に生き続けています。

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