島根県CMS

島根県CMSとは

島根県CMS（Pref Shimane CMS）は、島根県が開発した行政機関向けのコンテンツ管理システム（CMS）です。Ruby on Railsを基盤とし、データベースにはPostgreSQLを採用しています。開発は株式会社ネットワーク応用通信研究所（NaCl）が担当しました。

開発と公開

島根県CMSの開発費用は577万3千円、その後の機能追加には488万5千円が費やされました。2008年2月14日、島根県はこれをオープンソースソフトウェア（OSS）として無償公開しました。ライセンスはGPLです。地方自治体が開発したCMSをOSSとして公開したのは、国内初の事例とされています。

開発経緯

島根県CMS導入以前、島根県庁では各部局が紙の企画書を制作会社に渡し、ホームページのコンテンツ作成を依頼していました。2006年、職員自身がホームページの制作・管理を行えるシステムの導入を公開入札で募集したところ、NaClの提案が採用され、開発が委託されました。

特徴

島根県CMSの主な特徴は以下の通りです。

オープンソースベース: データベースにPostgreSQLを採用するなど、システム全体がオープンソースで構成されているため、ライセンス料が不要です。
職員向け設計: パソコンに不慣れな職員でも、コンテンツの作成や編集が容易に行えます。
アクセシビリティ: 視覚障害者向けのアクセシビリティ機能が強化されています。
音声読み上げ: ブラウザプラグインなしで、文字を音声合成して読み上げる機能（Galatea Projectの成果を利用）を搭載。
表示調整: 文字サイズ変更、ふりがな表示の有無、文字色反転など、各種ボタンをホームページに配置し、利用者のニーズに合わせた表示が可能です。

歴史

2006年: NaClにより開発され、島根県庁での運用開始。
2008年2月14日: 島根県CMSソース バージョン1.0がOSSとして一般公開。
2008年2月19日: 島根県CMSソース バージョン1.0.1が公開。
2008年2月20日: 島根県CMSソース バージョン1.0.2が公開。
2008年6月2日: 操作マニュアル バージョン1.1が公開。
2008年9月12日: 島根県CMSソース バージョン1.1.0および島根県CMSオンラインヘルプデータ1.0.0が公開。
2010年10月5日: 島根県CMSソース バージョン1.2.0が公開。

関連情報

Joruri: 島根県CMSを参考に開発されたCMSです。
島根県CMS公式サイト: 株式会社NaClによる公式サイトです。
* 島根県: 島根県CMSを開発・公開した地方自治体です。

島根県CMSは、行政機関がウェブサイトを効率的に運用するための先進的なシステムであり、そのオープンソースとしての公開は、他の自治体にとっても参考になるモデルケースと言えるでしょう。

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