Joruri

Joruri（ジョールリ）は、Ruby on RailsとMySQLを用いて開発されたオープンソースのコンテンツ管理システム（CMS）です。基本となるCMSの他、そこから派生したグループウェアなど、複数のプロダクトが存在します。

概要

Joruriの中核をなすCMSは、正式にはJoruri CMSと呼ばれます。「Japan Originated Ruby-based RESTful and Integrated CMS」の頭文字から名付けられており、「日本発、RubyベースのRESTfulな統合CMS」を意味します。また、人形浄瑠璃の人形遣いに例え、Webサイトを裏で支えるという思いも込められています。

徳島県と株式会社アイ・ディ・エスが共同で開発し、2010年3月23日にオープンソースソフトウェア（OSS）として公開されました。その後、Joruri CMSのシステム管理機能を基盤として、徳島県庁向けのグループウェア機能が拡張され、Joruri Gw（ジョールリ・グループウェア）として2011年5月23日に公開されました。2011年10月からは、徳島県が公開する他のオープンソース製品と合わせて、自治体OSSキットとしての普及活動も行われています。

開発経緯

徳島県は2009年当時、グループウェアとホームページ管理にLotus Notesを利用していました。同ソフトウェアのサポート終了に伴うバージョンアップに際し、約8,000万円の費用が必要と判明したため、無償で利用可能なOSSの調査を開始しました。その結果、島根県CMSが候補となりました。

島根県CMSの導入を前提に構築可能な企業を公募したところ、株式会社アイ・ディ・エスが約1,000万円で請け負うことになりました。同社は当初、島根県CMSのカスタマイズを検討していましたが、徳島県ホームページの機能や発注仕様書を詳細に検討した結果、新規開発の方が適切と判断しました。島根県CMSを参考に開発されましたが、ソースコードは流用せず、フルスクラッチで開発されました。

特徴

Joruriは、以下の特徴を持っています。

データベースにMySQLを採用するなど、全てオープンソースで構成されているため、ライセンス料が不要です。
数万ページ規模のサイトでも、問題なく作成・運用が可能です。
アクセシビリティを向上させる機能が充実しています。
プラグインなしで、文字を音声合成で読み上げる機能（Galatea Projectの成果を利用）を備えています。
文字サイズ変更、背景色変更、ふりがな表示などのボタンをWebページに配置できます。
携帯電話向けのホームページを自動的に作成します。

発展

Joruri CMSは、汎用CMSとして150以上のサイトで稼働しており、自治体向けテンプレートも標準で添付されています。そのため、自治体サイトでは80以上の自治体で利用されています。

Joruri CMSを基盤とする派生プロダクトとして、Joruri GwやJoruri Mailの他に、SNS機能を持つJoruri Plus+、動画管理機能を持つJoruri Videoなどが公開されています。2014年には、WebGIS製品のJoruri Mapsが公開され、地理情報システム分野にも発展しています。また、Joruri GwやJoruri Mailから派生したグループウェア「縁sys（えにしす）」もオープンソースとして公開されています。

歴史

2009年10月26日：徳島県ホームページがJoruriで運用開始。
2010年03月23日：Joruri CMSをオープンソースとして公開。
2011年03月10日：第3回フクオカRuby大賞優秀賞をJoruri CMSが受賞。
2011年03月23日：Joruri Mailをオープンソースとして公開。
2011年05月23日：Joruri Gwをオープンソースとして公開。
2012年02月23日：第4回フクオカRuby大賞優秀賞をJoruri Gwが受賞（Joruri CMSに続いて2年連続受賞）。
2012年11月23日：Joruri Plus+、Joruri Videoをオープンソース公開。
2014年02月22日：Joruri Mapsが第6回フクオカRuby大賞企業賞(Engine Yard賞)を受賞。
2014年05月23日：Joruri Mapsをオープンソースとして公開。
2016年06月02日：Joruri DMSをオープンソースとして公開。
2017年08月10日：Joruri CMS 2017 Release 1をリリース。

関連項目

自治体OSSキット
島根県CMS

外部リンク

Joruri公式サイト
自治体OSSキットfacebookページ
徳島県ホームページ

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