島津久般

島津久般（しまづ ひさとし）

島津久般は、江戸時代中期に活躍した薩摩藩の武士であり、都城島津家の第21代当主です。都城島津家は、薩摩藩の支藩として、現在の宮崎県都城市周辺を領地としていました。

生涯

寛保3年（1742年）、島津久般は、都城島津家20代当主である島津久茂の嫡男として誕生しました。幼少の頃から、将来の当主としての教育を受け、宝暦4年（1754年）には、鹿児島城において元服し、正式に「久般」と名乗るようになりました。

宝暦7年（1757年）、父・久茂から家督を譲り受け、都城島津家の当主となりました。若くして当主となった久般は、藩政に励む傍ら、都城領内の安定と発展に尽力しました。

宝暦11年（1761年）、宗家である島津重豪の拝謝使として、家老以下を従え、江戸へと旅立ちました。江戸では、将軍徳川家治に拝謁し、太刀や馬などを献上しました。しかし、江戸滞在中、疱瘡に感染してしまい、病状は悪化の一途を辿り、江戸で亡くなりました。享年19という若さでした。

久般の遺体は、都城の龍峰寺に葬られました。その短い生涯は、都城島津家の歴史において、特筆すべきものとして語り継がれています。

人物

島津久般は、若くして当主となったにも関わらず、その責任感と行動力は高く評価されています。また、江戸への使者としての役割を果たしたことからも、その能力の高さがうかがえます。疱瘡という病に倒れたことは、惜しまれるばかりです。若くして亡くなったため、その後の都城島津家は、後継者問題に直面することとなりました。

参考文献

瀬戸山計佐儀『都城島津家歴代史 全』三州文化社、1992年
『都城市史』
* 『都城盆地 史跡ガイドブック ①旧都城市編』南九州文化研究会、2014年

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