島津師久

島津師久（しまづ もろひさ）

島津師久は、南北朝時代に活躍した武将であり、島津氏の6代目当主、そして総州家の初代当主として知られています。

生涯

1300年代前半に、島津氏5代目当主である島津貞久の三男として誕生しました。当時、日本は南北朝という二つの朝廷が対立する激動の時代であり、師久もまたその動乱に巻き込まれていきます。彼は、足利尊氏率いる幕府軍に属し、各地で武功を挙げました。その功績が認められ、薩摩国（現在の鹿児島県西部）や肥前国（現在の佐賀県、長崎県の一部）の地頭に任じられることとなります。

正平18年/貞治2年（1363年）4月、師久にとって大きな転機が訪れます。それは、兄である宗久が若くして亡くなったことでした。父である貞久は、自身の死期を悟り、後継者として師久を指名しました。これにより、師久は島津氏の家督と薩摩守護職を引き継ぐこととなります。一方、大隅守護職（現在の鹿児島県東部）は、弟の氏久が継承し、奥州家の祖となりました。この時、師久が継いだ家系が、後の総州家と呼ばれる家系の始まりとなります。

師久は、その後、家督を子の伊久に譲ります。

天授元年/永和元年（1375年）、九州の情勢を大きく揺るがす事件が起こります。今川了俊の謀略によって、少弐冬資が暗殺されたのです（水島の変）。この事件は、師久の怒りを買い、了俊との対立を引き起こします。この対立は、後の九州における勢力争いに大きな影響を与えたとされています。

翌年の3月、師久は52歳でこの世を去りました。彼の墓は、当初川内隈之城の称名寺跡にありましたが、後に福昌寺跡に改葬されました。

島津師久は、南北朝という激動の時代を生き抜いた武将であり、島津氏の勢力拡大に貢献した人物として、歴史にその名を刻んでいます。彼の生涯は、当時の政治情勢や武士の生き方を深く理解する上で、重要な手がかりとなるでしょう。

脚注

特になし

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