島津忠隆

島津忠隆（しまづ ただたか）

島津忠隆は、室町時代後期の薩摩国の大名であり、島津氏の第13代当主です。

生涯

明応6年（1497年）、島津氏第11代当主・島津忠昌の次男として誕生しました。兄には第12代当主の島津忠治がいました。

永正12年（1515年）、兄・忠治が死去したため、家督を継ぎ、第13代当主となりました。忠隆は、当主となると、まず領内の安定化に努めました。

永正13年（1516年）には、琉球支配を企てていた備中国蓮島の三宅国秀を討伐しました。この事件は、島津氏が琉球における権益を守るためのものでしたが、一方で、島津氏が琉球貿易独占の口実として作り上げた虚偽の事件であるという説も存在します。真偽のほどは不明ですが、この事件をきっかけに島津氏は琉球との関係をより強固なものにしていきました。

また、忠隆は、兄が倒すことができなかった吉田位清を討ち、領内の平定を進めました。しかし、兄と同様に戦乱を好まず、文学に傾倒する一面も持ち合わせていました。古今伝授を受けており、その文化的な素養は高かったとされています。このような忠隆の姿勢は、島津氏内部の対立を激化させる要因となり、内乱が続くこととなりました。

永正16年（1519年）4月14日、忠隆は23歳という若さで亡くなりました。短い生涯でしたが、島津氏の当主として、琉球との関係や領内平定に尽力しました。墓所は、はじめ鹿児島の隆盛院にありましたが、後に福昌寺に改葬されています。忠隆の死後、跡は弟の島津勝久が継ぎました。

島津忠隆は、戦国時代の動乱期に、家督を継ぎながらも、文学を愛し、戦を好まない人物でした。その姿勢は、内乱を招く要因にもなりましたが、島津氏の歴史において重要な人物の一人です。

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