島田巽

島田 巽の生涯と業績

島田巽（しまだ たつみ、1905年1月25日 - 1994年3月8日）は、日本の著名なジャーナリストであり、特に朝日新聞において重要な役割を果たしました。東京出身の彼は、1927年に慶應義塾大学政治学科を卒業。その後、朝日新聞社に入社し、欧米部長や論説副主幹などの職を歴任しました。

彼のキャリアの中で特筆すべきは、1965年から1976年までの12年間にわたって人事官を務めたことです。この役職を通じて、彼は多くの人事政策に関与し、長期的な視点での組織運営に寄与しました。この業績が評価され、1975年には勲一等瑞宝章を授与されました。

島田のジャーナリズムにおける功績は、執筆活動や編集業務に多岐にわたります。彼は多くの著書を残しており、その中には『最近の印度――英印関係の推移』（1942年）、『マーシャル・プラン――米国の対外援助政策』（1949年）、『今日のヨーロッパ』（1953年）、そして『山・人・本』（1976年）などがあります。また、エヴェレストを題材にした『遥かなりエヴェレスト――マロリー追想』（1981年）や、『山稜の読書家』（1985年）など、彼は自身の登山経験を生かした著作も手がけています。

さらに、島田は翻訳家としても活躍しました。K.マーティンによる『新聞と大衆』（1955年）や、チャールス・エヴァンズの『カンチェンジュンガ――その成功の記録』（1957年）など、多くの外国書籍を日本語に訳し、国内における国際理解の促進に寄与しました。また、エドマンド・ヒラリーの『わがエヴェレスト』を松方三郎と共訳するなど、彼の翻訳活動は広範囲にわたりました。

島田の寄稿もまた重要であり、1958年には臼井吉見編の『現代教養全集 第2 世界への目』に「英国人の七つの癖」を寄せています。これにより、彼の视点から見る英国文化や社会に関する理解が深まり、多くの読者に影響を与えました。

1994年3月8日、島田は膵臓癌のため89歳でその生涯を閉じました。長年にわたるジャーナリズム活動において、彼が残した業績は今日でも多くの人々に影響を与え続けており、彼の著作や翻訳は、現代の読者にも重要な知見を提供しています。彼の生涯に対する評価や記録は、後世にわたって研究され、学ばれるべき記憶として残っています。

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