崎田喜美枝

崎田喜美枝（さきた きみえ） - 日本のファッションの先駆者

崎田喜美枝は1935年3月30日に大阪で生まれ、2020年9月1日に逝去した、日本の著名なファッション・デザイン研究者です。彼女は宝塚大学の学長を務め、日本のファッション教育に大きく貢献しました。その英字表記は「Kimmy Sakita」であり、彼女の業績はファッション業界だけでなく、教育界にも広がっています。

経歴の概略

1962年、崎田はファッションの聖地であるアメリカに渡り、ニューヨーク州立ファッション工科大学で知識を深めました。さらに、フランス・パリのランバンのアトリエでの研修を通じて、国際的な視点を持つデザイン感覚を養いました。これらの経験を経て、1970年に彼女は『ファッションデザイン』という著作を出版しました。

帰国後、彼女は関西女子美術短期大学の教授として教育の道を進み、1987年には池田正男と共に宝塚造形芸術大学の設立に携わります。後にこの大学では教授や副学長、そして学長として学生の育成に尽力しました。2004年には「Computer fashion design：Collaborative fashion approach」を題材に博士（芸術学）を取得しました。

彼女は池田正男の死去に伴い、関西女子学園の理事長にも就任。加えて、日本デザイン文化協会大阪支部の支部長を務め、ファッション教育の普及に努めました。2015年には再び宝塚大学の学長に就任し、その指導力を発揮しました。

主な業績

崎田喜美枝は、ファッションデザインに関する重要な著作を多く発表しています。以下は彼女の主な単著と編著の一覧です：

• - 『ファッションデザイン』（服飾手帖社、1970年）
• - 『ファッションデザイン』（関西女子美術短期大学出版局、1975年）
• - 『パターンメーキングとグレーディングテクニック：パターンの基礎技法の原理から展開へ』（関西女子美術短期大学出版局、1981年）
• - 『ファッションポートフォリオ：研究・作品・評論』（同朋舎出版、1986年）
• - 『ファッションディレクション：感性工学アプローチ』（同朋舎出版、1992年）
• - 『コンピュータファッションデザイン：Collaborative fashion approach』（宝塚造形芸術大学出版局、1999年）
• - 『Fashion branding：new luxury branding & MOT』（宝塚造形芸術大学出版局、2006年）

彼女の書籍は、ファッションデザインの基礎から応用、さらには技術的な知識まで多岐にわたり、幅広い層の学生やデザイナーに影響を与えています。また、彼女はファッション界の新しいトレンドに敏感であり、教育者としての視点から新しいアプローチを取り入れることで、次世代のファッションデザイナーを育成しました。

結論

崎田喜美枝は、ファッション・デザインの専門家としてだけでなく、教育者としても多くの業績を残しました。彼女の関与した教育機関や出版物は、今も多くの学生やクリエイターに影響を与え続けています。彼女の努力と情熱は、日本のファッション分野だけでなく、国際的なデザイン界にも重要な足跡を刻んでいます。

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