崎田直次

崎田 直次

崎田 直次（さきた ただじ）は、1928年5月15日に生まれ、2001年5月9日に逝去した日本の著名な法学者です。その専門分野は商法、中でも特に会社法を深く探求しました。中央大学において教育者、研究者として多大な貢献をし、同大学の名誉教授の称号を授与されています。

経歴

崎田氏は、1952年に中央大学法学部法律学科を卒業しました。その後、母校である中央大学に助手として奉職し、研究者としての第一歩を踏み出します。着実にキャリアを積み上げ、1957年には法学部助教授に昇任。そして1964年には同法学部教授となり、教育研究の第一線で活躍するようになります。翌1965年からは、中央大学大学院法学研究科教授も兼任し、より高度な専門教育にも尽力しました。

教育活動だけでなく、学内運営においても重要な役割を果たしました。1969年には、中央大学法学部長および同大学院法学研究科委員長を務め、学部・大学院の要職を担いました。また、学校法人中央大学の運営にも深く関与し、1970年から1994年まで評議員を務め、長期にわたり大学の意思決定に関わりました。さらに、1972年から1982年までの10年間は、学校法人中央大学の常任理事として、大学の経営や組織運営において中心的な役割を担いました。

中央大学での職務と並行して、学外の公的機関においても活躍しました。1972年から1983年までの長きにわたり、旧司法試験第二次試験の考査委員を務め、将来の法曹界を担う人材の選抜に貢献しました。また、私立大学の振興にも関わり、1973年から1983年まで社団法人私立大学連盟の常務理事として活動しました。さらに、文部省（現在の文部科学省）においても、1977年から1985年まで教育委員養成審議会委員を務めるなど、教育制度の発展にも寄与しました。

1999年に中央大学を定年退職し、これまでの功績を称えられ、同大学名誉教授の称号が贈られました。退職後も、法学の研究と普及に貢献し続けました。

主な著作

崎田氏の研究成果は、数多くの著作として結実しています。会社法に関する専門的な知見は、『企業会計法規及会社法実例』（1962年、文久書林）や、『会社法ノート』（1966年、文久書林）といった単著にまとめられています。これらの著作は、会社法を学ぶ学生や実務家にとって重要な指針となりました。また、『商行為法』（1980年、青林書院新社）では編著者として、商行為法分野の体系的な理解を深めるための書籍を世に送り出しました。

学術的な系譜

崎田氏の学術的な背景には、高名な法学者である田中耕太郎氏の弟子筋にあたる片山金章氏が指導教授として存在します。この系譜のもと、崎田氏は会社法研究を深めていきました。また、自身も教育者として優れた後進を育成しました。門下生には、中央大学法科大学院で教授を務める丸山秀平氏や、同じく中央大学法学部教授である小宮靖毅氏などがおり、その学統は現在も引き継がれています。

参考文献

崎田氏に関連する文献として、『株主の権利』（中央経済社、1991年）などが挙げられます。これらの文献は、氏の研究や活動を理解する上で重要な資料となります。

崎田直次氏は、日本の商法学、特に会社法研究の発展に貢献するとともに、中央大学において教育者、管理者として多大な功績を残した人物です。その研究は著作を通じて多くの人々に影響を与え、育成した門下生は現在も各界で活躍しています。

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