崔承哲

崔承哲（チェ・スンチョル、1959年生まれ）は、北朝鮮の官僚、政治家です。彼は朝鮮労働党統一戦線部の副部長という高位にまで上り詰めました。

出世

金日成総合大学を卒業後、政府機関の職員としてキャリアをスタートさせました。1990年代後半からは、主に韓国との交渉業務を担当し、南北協議の場に度々姿を現しました。特に、2007年の南北首脳会談では、当時の韓国大統領であった盧武鉉氏が軍事境界線を越えて北朝鮮側に入境した際、北朝鮮側のホスト役として出迎えました。この出来事は、彼のキャリアにおける重要なハイライトの一つと言えるでしょう。

失脚

しかし、彼の立場は2007年の韓国大統領選挙直後から変化し始めます。太陽政策の見直しを掲げた李明博氏が大統領に就任すると、北朝鮮国内でも重要な行事である金正日国防委員長の生誕記念行事にも姿を見せなくなりました。このことから、国内では大統領選に関する情勢判断の誤りがあったため、責任を問われて失脚したのではないかと推測されました。さらに、2009年4月には、南北経済協力事業をめぐり120万ドルを不正に受け取ったとして更迭され、黄海道の鶏加工工場で労働に従事しているとの報道もなされました。同年5月には、2008年末に処刑されたという報道も出ましたが、現在に至るまで彼の消息は不明なままです。

彼の失脚は、北朝鮮の政治情勢の不確実性を示す一例と言えるかもしれません。また、太陽政策の転換期における北朝鮮内部の政治的変動を反映しているとも考えられます。

関連項目

朝鮮労働党統一戦線部

外部リンク

120万ドル不正収受で北朝鮮高官失脚（中日新聞）

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