崔昌華

崔 昌華の生涯と業績

崔 昌華（チェ チャンファ、1930年9月24日 - 1995年2月8日）は、朝鮮平安北道出身の在日コリアンの牧師である。彼は日本に密入国し、在日韓国人の権利のために尽力した一方で、その活動はさまざまな批判を受けた。

生い立ちと日本での活動

ソウル新興大学を卒業した後、崔は1954年に日本に不法入国した。彼は北九州市に定住し、1960年には在日大韓基督教会小倉教会を開設し、その牧師として活動を開始した。牧師としての業務を行いながら、法学を学ぶために八幡大学に入学し、1966年に法律学科を卒業した。卒業後、同大学では朝鮮語の講師としても勤務した。

権利擁護活動

崔は在日韓国人の権利擁護に向けて積極的に行動した。1975年には、外国人参政権の問題に取り組み、日本政府に対して在日韓国人に参政権を与えるよう求める公開質問状を北九州市に提出した。この年、NHKに対しても「韓国人名の発音を日本語読みにして放送することは人権侵害である」として訴訟を起こしたが、最終的には1988年に最高裁で敗訴となった。この他にも、外国人指紋押捺制度に反発し続け、日本国内での廃止を要求した。

彼の活動には賛否があった。特に、密入国したにもかかわらず特別永住権を取得したことや、民族主義的な裁判を起こしたことに対する批判が多かった。

批判

崔は戦後、日本に密入国した背景に対し、元韓国籍の支持者や、他の保守派から厳しい批判を受けた。例えば、批評家の佐藤勝巳は、密入国から特別永住者になった事例の問題点を指摘し、特に不法入国者が偽装名義の登録証で特別永住者になったことが普遍的であったと主張した。また、北朝鮮の工作員に関する問題にも言及し、日本における法律が十分でないことを指摘した。

崔と彼を支持する団体やサポーターは、かつての民族主義団体からの批判にも直面していた。これらの批判は、在日の権利擁護という名のもとに、彼の過去を意図的に隠蔽しているのではないかというものである。

著作

崔 昌華の著作もいくつか存在し、その中には『かちとる人権とは : 人間の尊厳を問う』（新幹社、1996年）、『名前と人権』（酒井書店、1979年）、『国籍と人権』（酒井書店、1975年）、『金嬉老事件と少数民族』（酒井書店、1968年）などがある。これらの書籍は、彼の考えや在日韓国人の権利についての彼の見解を示している。

まとめ

崔 昌華は、在日韓国人の権利擁護に尽力した牧師として記憶されている。彼の活動や著作は、在日コリアンの歴史において重要な役割を果たしたが、その一方で多くの批判にもさらされた。彼の事績は、在日者のアイデンティティや権利についての深い議論を促す材料となっている。

彼は1995年に惜しまれつつ世を去ったが、彼の娘はピアニストの崔善愛であり、家族の中にも優れた才能が受け継がれている。

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