嵐の素顔

工藤静香「嵐の素顔」：時代を超えて愛される一曲

1989年、日本の音楽シーンに新たな旋風を巻き起こしたシングル「嵐の素顔」。工藤静香の7枚目となるこの楽曲は、発売当時から多くの話題を集め、現在に至るまでその人気は衰えることを知りません。

ファンクとロックの融合：ダンサブルなサウンド

「嵐の素顔」は、ファンクサウンドを取り入れたダンサブルなロックナンバーとして知られています。軽快なリズムとキャッチーなメロディーは、聴く者の心を掴んで離しません。当時、工藤静香のモノマネブームが起こっていたこともあり、多くのタレントがバラエティ番組などでこの曲の振り付けを披露。その人気ぶりを伺い知ることができます。

印象的な振り付け：Lの字とタットの融合

楽曲の魅力をさらに高めているのが、その特徴的な振り付けです。顔の横で手をLの字に動かす振り付けは、特に印象的で、多くの人々に記憶されています。振り付けを担当したのは、ボビー吉野氏。彼は、手で作った形を素早く組み合わせて踊る「タット」という動きを取り入れました。当初は、頭サビの後の振り付けは異なっていましたが、後にモノマネなどでこの部分が取り上げられるようになると、頭サビ後もLの字の振り付けが使用されるようになりました。

数々のメディア出演とエピソード

「嵐の素顔」は、数々の音楽番組で披露され、様々なエピソードを生み出しました。日本テレビ系の音楽番組『速報!歌の大辞テン』では、工藤静香自身が男子高校生から路上でモノマネされた経験を披露。また、数年後にも同番組に出演し、当時の髪型に関するエピソードも語っています。さらに、TBS系の『世界ウルルン滞在記』では、青木さやかがホームステイ先の家族の前で「嵐の素顔」を披露したという、意外なエピソードも存在します。

2007年には、日本テレビ系の深夜番組『音楽戦士 MUSIC FIGHTER』で工藤静香と青木さやかが共演。青木さやかは工藤静香に向けて冗談交じりに「私、正直工藤さんとなら寝てもいいです」と発言し、話題を呼びました。このように、「嵐の素顔」は、工藤静香の音楽活動における重要な作品であると同時に、多くのメディアを通じて時代を超えた記憶として共有されてきたのです。

リミックスやカバー：時代を超越した魅力

「嵐の素顔」の人気の高さは、現在もなお衰えることを知りません。2020年には、Night Tempoが「嵐の素顔」とファースト・アルバム『ミステリアス』収録の「ワインひとくちの嘘」のリミックスを配信リリース。「工藤静香 - Night Tempo presents ザ・昭和グルーヴ」と題されたこのバージョンは、新たな世代にもこの楽曲の魅力を伝える役割を果たしました。

1989年のリリースとフォーマット

「嵐の素顔」は、1989年5月3日にポニーキャニオンからリリースされました。EPレコード、CT、8cmCDの3形態での発売は、当時の音楽市場の多様性を反映しています。また、このシングル発売前の4月1日から消費税が導入されたことで、価格表示が「税込定価￥○○○（税抜価格￥○○○）」に変更されたことも、時代の流れを感じさせるエピソードと言えるでしょう。

楽曲とアルバム収録

「嵐の素顔」は、多くのアルバムに収録されています。オリジナルアルバムには未収録ですが、『HARVEST』、『unlimited』、『intimate』、『Super Best』、『She Best of Best』、『ミレニアム・ベスト』、『Shizuka Kudo 20th Anniversary the Best』といった、工藤静香の代表的なアルバムに収録されていることから、その重要性がわかります。カップリング曲である「永遠の防波堤」は『HARVEST』と『20th Anniversary B-side collection』に収録されています。

「嵐の素顔」は、単なる一曲の楽曲ではなく、時代の雰囲気、音楽シーンの変化、そして工藤静香というアーティストの軌跡を凝縮した、まさにタイムカプセルのような存在と言えるでしょう。これからも、多くの人々に愛され続ける、不朽の名曲として輝き続けることでしょう。

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