嵐吉三郎

嵐吉三郎 名跡の歴史

嵐吉三郎は、歌舞伎界における由緒ある名跡です。屋号は岡嶋屋、定紋は三つ吉、替紋は三つ柏と、伝統を受け継ぐ格式高い名跡として知られています。初代から八代目まで、それぞれの吉三郎には個性豊かな経歴があり、歌舞伎史に名を刻んでいます。本稿では、各代ごとの系譜と活躍を詳しく見ていきましょう。

初代 嵐吉三郎 (1737-1780)

二代目嵐勘四郎の門人として、竹田吉三郎から初代嵐吉三郎を襲名しました。当時の歌舞伎界において、どのような活躍をしたのか、具体的な演目や評判については、残念ながら詳細な記録は残されていません。しかし、名跡を受け継いだ事実から、当時における一定の地位と技量を持っていたことは想像に難くありません。

二代目 嵐吉三郎 (1769-1821)

初代嵐吉三郎の三男にあたります。嵐吉松を名乗り、その後二代目嵐吉三郎を襲名しました。さらに、初代嵐橘三郎、贈初代嵐璃寛と名跡を継承するなど、歌舞伎役者としてのキャリアは多岐に渡ります。その芸の道における活躍ぶりは、同時代の記録や評価を探ることで、より鮮明に浮かび上がってくるでしょう。

三代目 嵐吉三郎 (1810-1864)

初代嵐吉三郎の長男である初代嵐猪三郎の子として誕生しました。三代目嵐橘三郎、三代目嵐大三郎を経て、三代目嵐吉三郎を襲名しました。父や祖父の系譜を受け継ぎ、どのような芸を磨き、どのような舞台を踏んだのか、詳細な記録の調査が今後の課題となります。

（嵐吉三郎）(生年不詳-1867)

出自不詳のこの吉三郎は、慶応3年8月に江戸中村座で嵐吉三郎を襲名しましたが、翌月には死去しました。そのため、代々には数えられていません。短い生涯であったものの、彼の襲名劇は、当時の歌舞伎界にどのような影響を与えたのか、資料を基に検証する必要があるでしょう。

四代目 嵐吉三郎 (生年不詳-1879)

三代目嵐吉三郎の縁者と伝えられていますが、詳しい続柄は不明です。嵐鱗昇、六代目嵐小六を経て、四代目嵐吉三郎を襲名しました。どのような経緯で名跡を継承したのか、当時の歌舞伎界の状況を踏まえることで、より詳細な状況を明らかにできる可能性があります。

五代目 嵐吉三郎 (1844-1898)

初代中村雀右衛門の養子となり、中村芝三郎、三代目中村芝蔵、松田太三郎と名を変え、後に五代目嵐吉三郎を襲名しました。養子縁組という異色の経歴を持つ五代目。その舞台人生には、どのようなドラマがあったのでしょうか。

六代目 嵐吉三郎 (1875-1927)

二代目中村雀右衛門の門人として、中村雀三郎から六代目嵐吉三郎を襲名しました。師匠である二代目中村雀右衛門との関係性や、その芸風への影響など、師弟関係を探ることで、六代目吉三郎の芸の深淵に迫ることができるでしょう。

七代目 嵐吉三郎 (1894-1973)

十一代目片岡仁左衛門の門人として、片岡當之助を経て七代目嵐吉三郎を襲名しました。名優・片岡仁左衛門に師事した七代目。その芸の精髄をどのように受け継ぎ、発展させたのか、興味深いところです。

八代目 嵐吉三郎 (1932-1987)

七代目嵐吉三郎の長男です。映画俳優として活躍した後、歌舞伎役者に戻り、八代目嵐吉三郎を襲名しました。舞踊名は藤間勘蔵。映画界と歌舞伎界という二つの世界を経験した八代目。その人生と芸の軌跡は、多くの情報を集めることで、より詳細に明らかにできるでしょう。 四代目嵐鯉昇を名乗り、北上弥太郎、北上弥太朗と芸名を変え、その後舞台に復帰しました。

このように、嵐吉三郎の名跡には、それぞれの代で個性豊かな役者たちが名を連ね、歌舞伎界に多大なる貢献をしてきました。今後も、様々な資料を調査し、より詳細な歴史を明らかにしていくことが重要です。

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