嶋永太郎

嶋永太郎（しま えいたろう）は、1880年（明治13年）2月20日に福岡県で生まれ、1942年（昭和17年）3月7日に亡くなった、日本の陸軍軍人であり、政治家です。最終階級は陸軍中将で、正四位・勲二等・功五級の栄典を授与されています。

軍人としての経歴

1901年（明治34年）に陸軍士官学校（第13期）を卒業後、歩兵第47連隊に配属され、軍人としてのキャリアをスタートさせました。日露戦争では、第一線で活躍し、その武勇を示しました。1911年（明治44年）には陸軍大学校（第23期）を卒業し、参謀本部勤務を命じられました。その後、関東軍司令部勤務、歩兵第14連隊長、第7師団参謀長、歩兵第10旅団長などを歴任し、着実に昇進を重ねました。これらの役職を通して、軍事戦略や部隊運営に関する深い知識と経験を培いました。

1933年（昭和8年）3月30日、嶋永太郎は軍を退き、予備役編入となりました。しかし、その後の人生においても、その豊富な経験と知識を活かし、社会に貢献することとなります。

学びと政治の世界へ

軍を退いた後、嶋永太郎は向学心を失わず、1934年（昭和9年）から2年間、九州帝国大学法文学部で法学、政治学、経済学を学びました。この学びを通じて、彼は社会に対する広い視野と深い洞察力を得ました。1938年（昭和13年）4月20日には、その知識と経験を買われ、小倉市長に選出されました。市長として、都市の発展と市民の福祉のために尽力しましたが、1942年3月7日にその職務中に生涯を終えました。

人物像

嶋永太郎は、軍人としての厳格さと、政治家としての柔軟さを兼ね備えた人物であったと言えるでしょう。日露戦争における勇敢な戦いぶりや、軍の中枢での勤務経験は、彼の決断力と実行力を磨きました。また、大学での学びを通じて得た知識は、市長としての政策立案に大いに役立ったと考えられます。

嶋永太郎の生涯は、軍人から政治家へと転身を遂げた人物として、また、激動の時代を生きた人物として、現代の私たちに多くの教訓を与えてくれます。彼の業績は、その後の小倉市の発展に大きな影響を与えただけでなく、日本の近代史においても重要な一ページを刻んだと言えるでしょう。

参考資料

『陸海軍将官人事総覧・陸軍篇』 芙蓉書房
『官報』1942年6月24日 官吏卒去及死去 「正四位 勲二等 功五級 陸軍中将 嶋永太郎ハ本年三月七日卒去」
* 『自治制実施五十周年記念 全国市長銘鑑』、帝国自治協会、1938年

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