嶋田うれ葉

嶋田 うれ葉

日本の脚本家、小説家として知られる嶋田うれ葉は、1974年5月11日に東京都新宿区に生まれました。現在はアンドリーム（&REAM）に所属し、多方面で活躍しています。早稲田大学第二文学部を卒業後、異業種での勤務を経て創作の世界へ飛び込みました。

生い立ちと創作の源泉

嶋田氏の「うれ葉」という名前は、父が俳句の一節から引用し、「みずみずしさを失わないように」という願いを込めて名付けられました。幼少期を東京で過ごした後、中学2年時に石川県加賀市の片山津温泉にあった父方の祖母の家をきっかけに、同市の片山津中学校へ転入します。その後、石川県立加賀高等学校に進学し、青春時代をこの地で過ごしました。加賀市の豊かな自然環境や、そこに暮らす人々の温かさに触れた経験は、その後の創作活動に大きな影響を与えます。嶋田氏は、中学・高校時代に交わした言葉や思い出が、大人になって脚本を書く際の原動力となり、自身の創作の「一番根っこ」として今も生きていると語っています。

脚本家への道のり

大学を卒業後、出版社で働きながらも、大学で受講したシナリオ分析の講義が創作への関心を再燃させました。幼い頃、映画やテレビカメラマンだった父の仕事場にあった台本に触れた記憶が蘇り、脚本を学びたいという強い衝動に駆られます。「どうしても創作の仕事がしたい」との思いを固め、31歳で脚本家を目指すことを決意します。成功しなければ5年で断念するという覚悟のもと、シナリオ専門学校「シナリオ・センター」で本格的に脚本の基礎を学び始めました。学業と並行して、様々な仕事を通じて人脈を築き、テレビ局や制作会社へ積極的に企画書を送る活動を展開しました。この挑戦が実を結び、脚本家を目指して5年目にあたる2008年には、小説「愛のシアワセ」で第2回JUNON恋愛小説大賞優秀賞を受賞し、小説家としてデビュー。翌2009年12月には、ラジオドラマ『青山二丁目劇場「彼のペット」』（文化放送）の脚本を手掛け、脚本家としても正式なキャリアをスタートさせました。

主な活動と評価

脚本家として歩み始めた嶋田氏は、多くのテレビドラマや映画の脚本を手掛けています。特に、2017年にNHK BSプレミアムで放送されたプレミアムドラマ『全力失踪』は、第34回ATP賞テレビグランプリのドラマ部門で優秀作品賞を受賞するなど高い評価を受け、自身も第6回市川森一脚本賞の候補となりました。さらに、翌2018年には、故郷である加賀市を舞台にしたプレミアムドラマ『ダイアリー』（NHK BSプレミアム）でも再び第7回市川森一脚本賞の候補に選出され、脚本家としての実力を示しました。

多岐にわたる作品を手がける中で、2020年には、NHK連続テレビ小説『エール』において、清水友佳子氏やチーフ演出の吉田照幸氏と共同で脚本を担当しました。連続テレビ小説は嶋田氏にとって「永遠の憧れの存在」であり、念願の参加となりました。その後も、2022年の連続テレビ小説『舞いあがれ!』に共同脚本として参加するなど、国民的な人気ドラマに貢献しています。その他にも、『スミカスミレ 45歳若返った女』、『こえ恋』（シリーズ構成）、『リカ』、近年の『三千円の使いかた』、『Tokyo Woman』など、ジャンルを問わず精力的に作品を発表し続けています。

テレビドラマ以外にも、配信ドラマ、映画（『クジラの島の忘れもの』、『夕陽のあと』、『天間荘の三姉妹』など）、オリジナルビデオ、ラジオドラマなど、映像作品を中心に幅広い分野で脚本を手掛けています。また、漫画原作や作詞にも挑戦するなど、クリエイターとして活動の幅を広げています。

私生活

一女の母でもある嶋田氏は、家事や育児と執筆活動を両立させています。多忙な日々の中で創作を続けるその姿勢は、多くの人々に共感と勇気を与えています。

遅咲きながらも強い情熱と確かな筆力で、日本のドラマ・映像界を支える脚本家の一人として、今後のさらなる活躍が期待されています。

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