川上清志

川上清志：陸軍航空の先駆者

川上清志（かわかみ きよし）は、1897年（明治30年）4月21日に生まれ、1944年（昭和19年）12月8日に没した、日本の陸軍軍人です。最終階級は陸軍中将。その生涯は、日本の陸軍航空の発展に大きく貢献しました。

生い立ちと初期の軍歴

鹿児島県出身の川上は、川辺中学校を経て、大阪陸軍地方幼年学校、中央幼年学校で学びました。1918年（大正7年）7月、陸軍士官学校（30期）を卒業し、同年12月に歩兵少尉に任官。歩兵第44連隊に配属され、軍人としてのキャリアをスタートさせました。1928年（昭和3年）12月には、陸軍大学校（40期）を優秀な成績で卒業し、その才能を早くから示していました。

参謀本部での活躍と航空兵科への転科

1929年（昭和4年）12月、川上は参謀本部付勤務となり、参謀本部員（作戦班）、ドイツ駐在、ルーマニア駐在、歩兵第23連隊大隊長、参謀本部員（戦史課）など、様々な要職を歴任しました。そして、1937年（昭和12年）8月、川上は兵科を航空兵に転科し、航空兵中佐に進級。この転科は、彼の軍人としてのキャリアにおいて大きな転換点となりました。

日中戦争への従軍と航空作戦の指揮

航空兵科への転科と同じ月、川上は上海派遣軍参謀（作戦主任）に発令され、日中戦争に出征しました。その後、大本営参謀、浜松陸軍飛行学校教官などを務め、1939年（昭和14年）3月には航空兵大佐に昇進しました。1939年8月には第2飛行集団司令部付となり、満州に赴任。飛行第32戦隊長、陸大教官、第2飛行集団参謀長、第2飛行師団参謀長、第2航空軍参謀副長を歴任し、航空作戦の中核を担いました。

陸軍少将への昇進と最期

1943年（昭和18年）3月、川上は陸軍少将に進級。その後も、第2航空軍参謀長、浜松教導飛行師団長と要職を歴任しました。1944年（昭和19年）11月、第3航空軍参謀長に転じましたが、同年12月、マレーで墜死。その功績から、死後陸軍中将に進級しました。

川上清志は、その生涯を通じて陸軍航空の発展に尽力しました。彼の功績は、日本の航空戦力の進歩に大きく貢献したと言えるでしょう。

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
* 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

もう一度検索