川勝政太郎

川勝政太郎 (かわかつ まさたろう)

川勝政太郎は、1905年5月22日に京都府京都市に生まれた日本の歴史学者、考古学者、美術史家です。彼は文学博士の学位を取得し、サンスクリットや石造美術に関する専門的な研究を行いました。豊かな学問的背景と情熱を持つ彼は、後世に多くの影響を与えることとなります。

来歴と経歴

川勝は、京都市立第一商業学校を卒業後、建築史家の天沼俊一に師事し、石造遺品に対する深い関心を抱くようになりました。1928年にはスズカケ出版を設立し、初の著作『古美術史蹟・京都行脚』を刊行します。また、1929年には京都史蹟会の会誌『京都史蹟』の創刊に寄与し、1930年には史迹美術同攷会を設立しました。これによって、石造美術に関する研究をさらに広める基盤を築きました。

1940年には京都帝国大学文学部史学科に入学し、1943年に卒業します。その後、近畿日本鉄道の嘱託として近畿の古文化の研究を行いながら、自らの専門分野である石造美術の研究を推進しました。1958年には「日本石材工芸史」を著し、國學院大學から文学博士の学位を取得しました。大阪工業大学や大手前女子大学で教授職を歴任し、1973年には石造美術の功績により紫綬褒章を受賞しました。

業績

川勝政太郎の業績は特に石造美術の分野で顕著であり、「石造美術」という用語を初めて提唱した人物とされています。彼の主宰する史迹美術同攷会では定期的に研究雑誌『史迹と美術』を発行し、新しい研究の発表を手助けしました。川勝から学んだ多くの研究者たちも各地の優れた石造美術を見出し、広く世に伝える役割を果たしました。

彼の功績は現在でも評価されており、多くの石造美術が国の重要文化財として認定されるに至っていますが、その多くには川勝の関与があり、彼の影響力の大きさを物語っています。創刊以来、年10回発行されている『史迹と美術』は、在野の研究者にとって重要な発表の場となっています。

主な著作

川勝は多くの著作を残しており、その中には次のようなものがあります：

• - 『大和の石造美術』（1942年）
• - 『京都石造美術の研究』（1946年）
• - 『日本石材工芸史』（1957年）
• - 『石の奈良』（1966年）
• - 『石造美術入門』（1967年）
• - 『京都の石造美術』（1972年）
• - 『石造美術の旅』（1973年）
• - 『燈籠』（1973年）
• - 『日本石造美術辞典』（1978年）
• - 『古建築入門講話（改訂）』（1980年）
• - 『梵字講話』（1980年）
• - 『石造美術』（1981年）
• - 『京都古寺巡礼』（1982年）

まとめ

1978年12月23日に73歳で亡くなった川勝政太郎は、京都市上京区の本満寺に埋葬されました。彼は没後も勲四等旭日小綬章を受章し、その業績は今も多くの研究者たちによって引き継がれています。川勝の研究や教えは、石造美術の発展に大きく貢献し、彼の名前は日本の文化史に永遠に刻まれ続けます。

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