川口博

川口博氏は、1947年秋田県小坂町に生まれました。酪農農家の次男として育ち、地元高校卒業後、上京。法政大学工学部在学中は、学費を稼ぐため様々なアルバイトを経験した苦労人です。

1984年に小坂町議会議員に当選し、6年間町政に携わった後、1990年には小坂町長に初当選します。以後、5期にわたって町長を務め、その間、数々の要職を歴任しました。財団法人秋田県資源技術開発機構理事、全国鉱山所在市町村協議会会長などを務め、地域社会に貢献しました。

町長在任中は、循環型社会の構築を町の基本理念として掲げました。1997年には、世界30ヶ国以上の鉱山関係者を招いて「世界鉱山サミット」を開催し、「小坂宣言」を発表。この宣言は、鉱山業界が循環型社会の構築に貢献できるかを問うもので、国際的な注目を集めました。

川口町政は、資源、エネルギー、リサイクル、観光、福祉、芸術、文化、教育など、多岐にわたる分野に及ぶ政策を展開しました。これらの施策は、観光フォーラム、環境サミット、エネルギーサミットなどの開催を通して、内外からの有識者の意見を取り入れながら着実に推進されました。

その成果は、小坂町の活性化に明確に表れました。住民所得の増加は著しく、平成18年度の秋田県市町村村民経済計算では、一人当たり市町村民所得が県内25市町村中第2位という高い水準に達しました。また、法人税収も1999年から約4.9倍に増加し、地方交付税に頼らない自立した財政基盤を確立しました。

2009年、川口氏は秋田県知事選挙に出馬しますが、惜しくも敗れました。しかし、同年8月に行われた第45回衆議院議員総選挙では、秋田2区から無所属で出馬し、当選を果たします。民主党秋田県連2区支部を中心とした戦略的な支援、そして野呂田芳成氏らの支持層の獲得が、この勝利を導いた要因の一つと言えるでしょう。

衆議院議員としては、「民主党・無所属クラブ」に入会し、その後民主党に入党しました。2012年の衆議院議員総選挙では再選を目指しましたが落選、2013年には小坂町長選挙に立候補したものの落選しました。

川口博氏の政治経歴は、地方自治体におけるリーダーシップと、国政への挑戦、そしてその過程における様々な困難と挑戦を物語っています。小坂町の発展に多大な貢献を果たしたことは、広く認められています。

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