川合隆男

川合隆男

川合隆男（かわい たかお、1938年7月25日 - ）は、日本の著名な社会学者であり、慶應義塾大学の名誉教授です。彼の研究は、社会調査の歴史的展開や近代日本社会学史に焦点を当てており、社会学の分野に多大な貢献をしています。

略歴

山形県上山市で生まれた川合隆男は、1957年に山形県立山形工業高等学校（建築科）を卒業後、1961年に慶應義塾大学法学部政治学科を卒業しました。その後、1966年に慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程を単位取得退学。1975年には、学位論文「社会的成層の研究」で社会学博士（慶應義塾大学）の学位を取得しました。

1964年に慶應義塾大学法学部の助手として職を得て、1967年に専任講師、1970年には助教授に昇進。1970年から1年間、プリンストン大学に留学し、研究活動に従事しました。1977年に教授に就任し、2004年に定年退職。慶應義塾大学名誉教授の称号を受けました。

彼の業績は高く評価されており、1976年には義塾賞、2003年には福澤賞を受賞しています。

著書

川合隆男は、数多くの著書や編著を手がけています。以下に代表的なものをいくつか紹介します。

『社会的成層の研究 現代社会と不平等構造』世界書院, 1975年
『近代日本社会学の展開 学問運動としての社会学の制度化』恒星社厚生閣, 2003年
『戸田貞三 家族研究・実証社会学の軌跡』東信堂, 2003年
『タンポポの丘 戯れに来て戯れに去る』春風社, 2004年
* 『近代日本における社会調査の軌跡』恒星社厚生閣, 2004年

その他、編著として『社会学 現代社会学の課題』(勁草書房, 1984年)、『近代日本社会調査史』(慶應通信, 1989-94年)、『明治期社会学関係資料 復刻版』(竜渓書舎, 1991年)などがあります。

また、海外の社会調査に関する文献の翻訳も行っており、G・イーストホープ『社会調査方法史』(慶應通信, 1982年)やスーザン・P・シャド『ドイツ・ワイマール期の社会調査』(慶應通信, 1987年)などを監訳しています。

研究内容

川合隆男の研究は、社会調査の歴史的分析と、近代日本社会学の成立過程の解明という二つの柱を中心に展開されています。社会調査史研究においては、明治期から戦前にかけての社会調査の実態を明らかにし、その方法論や思想的背景を詳細に分析しています。また、近代日本社会学史研究においては、日本の社会学が欧米の社会学の影響を受けながら、独自の発展を遂げてきた過程を、学問運動としての側面から捉えています。

川合隆男の業績は、日本の社会学研究における重要な礎となっており、彼の研究は、現代社会学の発展にも大きな影響を与え続けています。

関連情報

川合隆男先生退職記念文集編集委員会編『タンポポの花 幻の門より出でて野に咲かん』春風社, 2004年

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