川居尚美

女優であり演出家でもある川居尚美（かわいなおみ）は、1980年 7月4日に東京都多摩市で生まれました。国立音楽大学音楽学部声楽学科を卒業後、なないろに所属し、表現者としての道を歩んでいます。

経歴と人物像

大学で声楽を専門に学んだ経験は、彼女のその後の活動の基盤となっています。単に舞台や映像で演じるだけでなく、声楽家として合唱やオペラのアンサンブルに参加したり、サロンコンサートで歌声を披露したり、バンド活動を行ったりと、音楽分野でも精力的に活動してきました。また、ボイストレーナーや仮歌シンガーとしての顔も持ち、声に関わる専門知識と経験を活かしています。

多才な一面は、その保有資格からも伺えます。第一種幼稚園教諭免許や甲種防火管理者といった実務的な資格に加え、普通自動車運転免許（AT限定）や漢検2級も取得しており、幅広い分野への関心と探求心を持っています。趣味も多彩で、料理や空手、映画鑑賞、食べ歩きといった一般的なものから、ポケモンGO、釣り、ヨガ、さらには声楽やポピュラーソングを歌うことまで、活動的ながらも自身のルーツである「歌」を大切にしている様子がうかがえます。

主な活動実績

川居尚美は、女優、演出家として、また声楽家として、様々なメディアや場でその才能を発揮してきました。

映像作品

テレビ番組では、『行列のできる法律相談所』や『その原因、Xにあり!』などに出演しています。また、園子温監督のドラマ作品への出演も公式プロフィールで触れられています。オリジナルビデオにおいては、人気ホラーシリーズ『ほんとにあった! 呪いのビデオ』に深く関わっており、単なる出演者としてだけでなく、44巻から75巻、そして88巻、89巻では演出補を、さらに76巻から80巻にかけては構成・演出を務め、制作側としても手腕を発揮しました。2020年には『心霊マスターテープ2』にも出演しています。アニメーション映画では、『サマーウォーズ』（2009年）や『手塚治虫のブッダ -赤い砂漠よ!美しく-』（2011年）といった話題作にも参加しています。

舞台活動

彼女のキャリアにおいて、舞台は特に重要な位置を占めています。2010年の別役実作『舞え舞えかたつむり』でお雛様役を演じたのを皮切りに、好村俊子プロデュース〈鷹〉公演『近代能楽集班女』では花子役、フォーシーズン公演『紙屋悦子の青春』では主役である紙屋悦子を演じるなど、様々な劇作家の作品で主要な役を演じてきました。遊戯空間や東京ハイビームといった劇団・プロデュース公演に数多く参加しており、『隅田川の線香花火』では養女おのぶと新聞売りの少年という二役を演じるなど、幅広い役柄に挑戦しています。また、『仮名手本忠臣蔵』のリーディング公演では小浪役を演じるなど、日本の古典作品にも取り組み、その演技の幅広さを示しています。

音楽関連

声楽を学んだバックグラウンドを活かし、音楽活動も継続しています。2015年には国立オペラ・カンパニー青いサカナ団の公演『ラ・ボエーム』に出演。また、NHK交響楽団の年末特別公演『第九』には複数回参加しており、合唱メンバーとして大舞台に立っています。音楽作品としては、PSPサウンドノベル『電撃のピロト〜天空の絆〜』の挿入歌「めぐる風」で共同作詞と歌唱を担当し、配信リリースも行っています。

MC・その他

イベントのMCとしても活躍しており、南明奈ファンクラブイベントや、東日本大震災復興支援関連のイベント（ちば芸術の森祭り、東久留米市イベント）などで司会を務めました。また、ラジオドラマ『ドラマ・ファクトリー』や、PlayStation Portable用ソフト『電撃のピロト〜天空の絆〜』（おかみさん役など）、VOMIC『CRASH!』など、声優としても活動の場を広げています。劇団クロックガールズ公演『死んでも言っちゃいけない10のこと』では、声の出演で参加しています。

女優、演出家、そして声楽家、MCなど、多様な顔を持つ川居尚美氏。その幅広い経験と表現力をもって、今後のさらなる活躍が期待されます。

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