川島みどり

川島みどり

川島みどり（かわしま みどり、1931年5月18日 - ）は、日本の看護師、看護学者であり、日本赤十字看護大学の名誉教授です。彼女は、看護教育と実践の分野で多大な貢献をしてきました。

経歴

川島みどり氏は、朝鮮の京城（現ソウル）で生まれました。1951年に日本赤十字女子専門学校（現在の日本赤十字看護大学）を卒業後、日本赤十字社中央病院の小児病棟に勤務しました。その後、日本赤十字女子専門学校や日本赤十字女子短期大学で助手を務め、日本赤十字病院耳鼻科外来係長を経て、1971年に退職しました。

1975年からは健和会柳原病院に勤務し、みさと健和病院で教育婦長を務めました。その後、日本赤十字看護大学の教授に就任し、2002年に定年退任後、名誉教授となりました。また、健和会臨床看護学研究所の所長や、一般社団法人日本て・あーて（TE・ARTE）推進協会の代表理事も務めています。

川島氏は、1965年に東京看護学セミナーを結成し、世話人代表を務めました。日本看護研究学会評議員、日本生命倫理学会評議員、日本看護管理学会理事、日本コンチネンス協会理事なども歴任し、1995年には日本看護科学学会会長を務めました。1971年には毎日新聞社第１回「日本の選択賞」（共同研究）を受賞、1995年には若月賞を受賞、2007年にはフローレンス・ナイチンゲール記章を受章しています。

2022年春には、看護師に広く読まれてきた雑誌「看護実践の科学」（看護の科学社）の廃刊を受け、新たな雑誌「オン・ナーシング」（看護の科学新社）を創刊するためにクラウドファンディングを実施し、目標金額600万円に対し246人から970万円の支援を得て創刊に至りました。「オン・ナーシング」の創刊号は、91歳になる川島氏が責任編集を務めた「川嶋みどり責任編集号」として2022年8月に発行されました。

また、歌手の嘉門タツオ氏は甥にあたります（嘉門の母が川嶋氏の妹）。

著書（一部）

川島みどり氏は、数多くの著書を執筆し、看護に関する知識や考え方を広めてきました。主な著書には以下のようなものがあります。

『ともに考える看護論』（医学書院、1973年）
『生活行動援助の技術 人間として生きてゆくことを』（看護の科学社、1976年）
『看護の自立 現代医療と看護婦』（勁草書房、1977年）
『目でみる患者援助の基本』（医学書院、1977年）
『看護の心を育てる 川島みどり対談集』（あゆみ出版、1984年）
『看護観察と判断 看護過程の展開のために』（看護の科学社、1988年）
『看護の癒し そのアートとサイエンス 看護治療学への道』（看護の科学社、1997年）
『歩きつづけて看護』（医学書院、2000年）
『看護を語ることの意味 "ナラティブ"に生きて』（看護の科学社、2007年）
『看護の力』（岩波新書、2012年）

これらの著書は、看護学生や看護師にとって貴重な教材となっており、看護の質の向上に貢献しています。

川島みどり氏の業績は、日本の看護界において非常に大きな影響を与えており、その功績は高く評価されています。

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