川崎ひかる

川崎ひかる（かわさき ひかる）は、1992年5月28日に香川県で生まれた、日本の元女子プロ野球選手です。

野球との出会い、そしてプロへの道

川崎選手が野球に興味を持ったのは、まだ幼稚園の年長だった頃。2歳上、そして3歳上の兄たちが野球に打ち込む姿を見て、自然とグラウンドへ足を運ぶようになりました。

小学校に進むと、一年生から地元の軟式野球チーム「財田ファイターズ」に入団し、本格的に野球を始めます。上級生になるとエースとしてチームを牽引する存在となり、さらにソフトボール投げでは香川県記録を樹立するなど、その才能の片鱗を見せ始めました。中学校でも軟式野球を続け、主に三塁手として活躍。三豊・観音寺地区の大会で優勝に貢献するなど、中学球界でもその実力を発揮しました。

高校は丸亀城西高校に進学し、ここではソフトボールへと転向します。一年生からレギュラーの座を掴み、三年生時には主将を務めるまでに成長。国体では香川県選抜の一員としてもプレーしました。

ソフトボールでの活躍を経た三年生の9月、川崎選手は女子プロ野球リーグのトライアウトを受験します。競争率が17倍を超えるという狭き門でしたが、見事に合格を勝ち取りました。当初、硬式球での守備経験がほとんどなかったことから投手としての受験を希望していましたが、兵庫スイングスマイリーズの監督やコーチ陣は、その卓越した走力、打撃力、そして守備力を総合的に高く評価し、野手として入団を決定。同年12月のリーグコンベンションで、兵庫スイングスマイリーズへの加入が正式に発表されました。彼女は女子プロ野球リーグにおいて、四国地方から初の出身選手となったのです。

プロでのキャリアとプレースタイル

兵庫スイングスマイリーズに入団した初年度は、守備面での課題もあったため、開幕からすぐにレギュラー定着とはなりませんでした。しかし、与えられた出場機会の中で驚異的な打撃センスを発揮。出場22試合で打率.370、OPS.944という高い数字を記録し、その打撃力を見せつけました。

2011年12月13日には、新設された大阪ブレイビーハニーズへの移籍が発表されます。大阪ではプロ入り後初めて外野守備に本格的に取り組み、その適応力の高さも示しました。プロ入り後も着実に成績を伸ばし、2014年には外野手部門で自身初となるベストナインに選出されるなど、リーグを代表する打者として活躍しました。チームはその後、名称変更などを経て兵庫ディオーネとなりますが、川崎選手は2017年シーズン終了をもって、約7年間の現役生活に終止符を打ちました。引退年の2017年には、これまでの功績を讃えられ功労賞を受賞しています。

プレースタイルとしては、阪神タイガースの金本知憲選手を目標に挙げており、華のあるプレーと同時にチームへの貢献を重視する姿勢を理想としていました。打席では、広角に打ち分ける技術に加え、力強いスイングから生まれる長打力も魅力でした。また、アマチュア時代にソフトボール投げで香川県記録を樹立した経験に裏打ちされた、強肩も大きな武器の一つでした。

人物像としては、低く響く良い声を自身のチャームポイントとして挙げています。座右の銘は「報恩謝徳」であり、「一期一会」も大切にしている言葉です。好きなアーティストはFUNKY MONKEY BABYSで、高校時代から変わらず聴き続けていることを明かしています。

プロ通算では、出場223試合で打率.295、113安打を記録しました。初出場は2011年4月29日の対京都アストドリームス戦で、代打として登場。初安打は同年5月16日の対京都戦で、左線への二塁打でした。2015年4月25日には、対京都フローラ戦でプロ通算100安打を達成しています。背番号はプロ入りから引退まで一貫して「24」を背負いました。

幼い頃から野球に親しみ、ソフトボールを経てプロ野球の世界へ飛び込んだ川崎ひかる選手。そのパワフルな打撃と野球への真摯な姿勢は、多くのファンに記憶されています。

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