川崎アプローチ線

川崎アプローチ線とは

川崎アプローチ線は、川崎市が川崎駅と浜川崎駅の間に建設を計画している鉄道路線です。この路線は、東海道貨物線の旅客化や、経済の地盤沈下が著しい臨海部の再生といった複数の目的を担うものとして検討されています。2000年には国土交通省の基本計画で「今後整備について検討すべき路線」として示されましたが、具体的な事業主体や計画の詳細は現在も検討段階にあります。

計画の背景

川崎アプローチ線の構想は、神奈川口構想（首都圏第3空港構想）とも関連しており、臨海部の活性化策の一環として浮上しました。この路線は、南武線（浜川崎支線）や東海道貨物線といった既存の路線を活用し、川崎駅と浜川崎駅を直結する計画です。かつて存在した東海道本線貨物支線の復活・旅客線化に近い経路をたどるとされています。

現状と課題

川崎市は2012年の時点で、この路線の実現に向けた検討を開始しましたが、具体的な内容はまだ確定していません。市担当者は、実現には少なくとも10年以上かかるとの見通しを示しています。また、神奈川県鉄道輸送力増強促進会議は、南武支線の川崎駅乗り入れをJR東日本に継続的に要望していますが、JR側は新規設備の必要性、運行本数への影響、需要の不確実性などを理由に、現時点では実現困難としています。

小田栄駅の開業

川崎アプローチ線の構想に関連して、既存区間に新設された駅の一つとして「小田栄駅」があります。当初は仮称でしたが、2015年9月に正式名称が決定し、2016年3月にはJR東日本と川崎市の協力による「戦略的新駅」として開業しました。これは、川崎アプローチ線構想の進展にともなう数少ない具体的な進展と言えるでしょう。

駅一覧（計画）

以下は、川崎アプローチ線に計画されている駅の一覧です。

川崎駅
新八丁畷駅（仮称）
川崎新町駅
小田栄駅
浜川崎駅
塩浜駅（将来的な延伸の場合）

今後の展望

川崎アプローチ線の実現には、JR東日本との協力が不可欠ですが、現状では多くの課題が残されています。川崎市や関係自治体は、引き続きJR側と協議を重ね、実現に向けて検討を進めていく必要があります。この路線が実現すれば、川崎臨海部の活性化に大きく貢献することが期待されます。

関連項目

南武線
川崎縦貫高速鉄道

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