川崎和男

川崎和男（1949年2月26日 - ）は、福井県出身のインダストリアルデザイナー、プロダクトデザイナーであり、デザインディレクターとして多岐にわたる分野で活躍しています。大阪大学名誉教授、名古屋市立大学名誉教授の肩書きを持ち、医学博士でもあります。

人物と経歴

福井県立高志高等学校、金沢美術工芸大学を卒業後、東芝に入社しオーディオ機器のデザインなどを担当しました。1978年に交通事故で脊椎を損傷し車椅子生活となったことを機に東芝を退社。その後、川崎和男デザイン室を設立し、独立。

専門分野は、3D-CAD/CAMとメディアインテグレーションによるプロダクトデザイン開発、トポロジー空間論をベースとしたラピッドプロトタイピング手法の研究、そして3Dプリンティング技術の開発と応用展開です。近年では「危機解決学デザイン」の形態設計と制度設計へのデザインの実践と理論構築に力を注いでいます。

デザイン哲学と活動

川崎のデザインは、インダストリアルデザイン、プロダクトデザインにとどまらず、伝統工芸品、メガネ、コンピューター、ロボット、原子力、人工臓器、宇宙空間といった広範な領域を対象としています。トポロジーを「ことばとかたちの相対論」と捉え、デザインの実務に応用している点が特徴です。

ニューヨーク近代美術館（MoMA）には、自身のためにデザインした車椅子が永久収蔵されており、その作品は国際的にも高く評価されています。2015年には、金沢美術大学での恩師である柳宗理の生誕100年記念講演を行いました。

主な作品と受賞

彼の作品は、ニューヨーク近代美術館、スミソニアン博物館（クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館）、フィラデルフィア美術館、金沢21世紀美術館など、国内外の著名な美術館に収蔵されています。

数々のデザイン賞を受賞しており、その実績は以下の通りです。
日本デザインコミッティ・デザインフォーラム銀賞
通産省グッドデザイン中小企業長官特別賞
通産省日本デザイン大賞奨励賞
毎日デザイン賞
BIO賞ゴールドメダル
世界インダストリアルデザイン団体協議会特別賞
ドイツ国際デザイン賞
国井喜太郎産業工芸賞
iFデザイン賞
レッド・ドット・デザイン賞
SILMO2000グランプリ
グッドデザイン賞（多数）
日本クリエイション大賞
Design For Asia Award

テレビ出演と著作

テレビ番組「カンブリア宮殿」にも出演し、日本のものづくりについて独自の視点を語りました。また、多数の著書を執筆し、デザインに関する思想や実践を広く発信しています。

主な著書
『デジタルなパサージュ Macintoshのある日常的デザイン観』
『芸術工学への誘い 名古屋市立大学芸術工学部』
『プラトンのオルゴール インダストリアリズムの終焉とデザインの使命』
『デザイナーは喧嘩師であれ 四句分別デザイン特論』
『ドリームデザイナー 別冊 課外授業ようこそ先輩』
『デザインは言語道断!』
『デザインの極道論 「感性の言葉」としての形容詞』
『Design Anthology of Kazuo Kawasaki』
『プレゼンテーションの極意』
『デザインという先手 日常的なデザインガンビット』
『artificial heart 川崎和男展 いのち・きもち・かたち』
『倉俣史朗のデザイン 夢の形見に』
* 『川崎和男Design 大型本』

主な作品・プロジェクト

ナナオ（EIZO、FORIS.TV）のコーポレイトアイデンティティ、Apple MindTop、雑誌POPEYE,BRUTUS,Oleave, Sweatpea, JEEP、富士通 INTERTopなど、多岐にわたる分野でデザインを手がけています。

川崎和男は、その独創的なデザインと社会への貢献により、国内外で高く評価されているデザイナーです。

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