川崎大空襲

川崎大空襲

川崎大空襲は、第二次世界大戦中にアメリカ軍によって行われた、川崎市に対する大規模な無差別爆撃です。この空襲は、焼夷弾と爆弾が使用され、市街地に壊滅的な被害をもたらしました。

空襲の経緯

川崎市への最初の空襲は1942年4月18日に行われました。これは、ドーリットル空襲と呼ばれるもので、この時は34名の犠牲者が出ています。その後、1945年4月4日には、B-29爆撃機による本格的な空襲が開始されました。この日の空襲では、約50機のB-29が飛来し、194名の死者、243名の負傷者、1,770名の罹災者、470戸の家屋と119の工場が全半壊焼失するという甚大な被害が発生しました。

そして、1945年4月15日には、最大規模の空襲が行われました。この日、200機以上の米軍機が飛来し、合計1,110トンもの焼夷弾と爆弾が投下されました。これにより、川崎市街地全体と南武線沿いの工場地帯は壊滅的な打撃を受け、多数の死傷者が発生しました。被害は甚大で、全半壊した家屋は33,361戸、工場は287棟に及び、罹災者は10万人を超えました。

被害状況

川崎大空襲の被害状況については、複数の資料で数値に差異が見られます。

川崎市の「川崎戦災復興誌」:
罹災人口: 154,426人
罹災家屋: 38,514戸（うち焼夷弾による焼失37,431戸、爆撃による全壊476戸、半壊607戸）
死者: 768人
重傷者: 2,500人
軽傷者: 12,472人

アメリカ軍の「米国戦略爆撃調査団報告書」:
罹災人口: 154,426人
罹災家屋: 35,107戸
死者: 1,520人
負傷者: 8,759人

日本政府の「太平洋戦争による我国の被害総合報告書」:
罹災家屋: 35,635戸（うち焼夷弾による焼失34,931戸、爆撃による全壊276戸、半壊335戸）
死者: 1,001人
負傷者: 1,524人

これらの数値の違いは、資料の調査方法や集計時期の違いによるものと考えられますが、いずれにしても川崎大空襲がもたらした被害が甚大であったことは変わりありません。

まとめ

川崎大空襲は、第二次世界大戦末期における日本の都市に対する無差別爆撃の一環であり、多くの人々の命と生活を奪いました。この空襲は、戦争の悲惨さを後世に伝える重要な出来事として、記憶されるべきです。

参考資料

「戦略爆撃調査団資料」アメリカ公文書館
川崎市における戦災の状況
横浜大空襲と川崎大空襲の慰霊施設はどこにある？ はまれぽ
* 川崎横浜大空襲の記録

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