川崎市警察

川崎市警察（かわさきしけいさつ）

川崎市警察は、昭和の特定の時期に神奈川県川崎市に設置されていた、市が運営する警察組織です。戦後、日本に進駐した連合国軍総司令部（GHQ）の指導により、全国の警察制度が見直され、旧警察法が施行されました。この法律の下で、それまでの都道府県警察部は解体され、国の管理する国家地方警察と、人口5000人以上の市町村が任意で設置できる自治体警察に分割されることになりました。

川崎市もこの動きに沿い、1948年（昭和23年）3月7日に、市独自の警察組織として川崎市警察が誕生しました。設立当初、その本部機能は川崎郵便局の建物内に置かれていましたが、翌年の1949年（昭和24年）8月には、独立した新たな庁舎へと活動拠点を移しました。

川崎市警察は、旧警察法が存在した約6年間、川崎市内の治安維持や市民の安全確保といった重要な役割を担いました。しかし、警察制度は再び大きな転換期を迎えます。1954年（昭和29年）に旧警察法が全面改正され、新たな警察法が公布・施行されたのです。

この新警察法により、国家地方警察と自治体警察という二本立ての体制は廃止され、再び都道府県を単位とする一本化された警察組織が誕生することになりました。これにより、神奈川県には新たな神奈川県警察が発足しました。これに伴い、川崎市警察もその役目を終え、神奈川県警察の一部として統合される形で消滅しました。

川崎市警察が存在した期間、特に1952年（昭和27年）時点の組織体制は以下の通りでした。本部には専門的な役割を担う複数の課が設置されていました。

総務課
保安交通課
警備課
警ら通信課
捜査課
防犯少年課

また、市内の各地域を管轄する警察署も複数設置されていました。1952年（昭和27年）時点では、以下の警察署が存在していました。

川崎警察署
臨港警察署
中原警察署
高津警察署

川崎市警察は、日本の警察制度が大きく変革された時期に存在した、短期間ながらも地域に根差した活動を行った組織と言えます。その歴史は、日本の戦後における自治体警察のあり方を示す事例の一つとして位置づけられます。

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