川崎泰央

川崎 泰央（かわさき やすお）は、1977年6月14日に福井県敦賀市で生まれた、日本の元プロ野球選手（投手）である。

敦賀気比中学校を卒業後、地元の敦賀高校へと進学した川崎は、そこで投手としての才能を開花させた。最高速度144km/hに達する力強いストレートと、縦方向に鋭く変化するカーブを武器に、エースとして活躍。その圧倒的な投球から、『北陸の怪腕』という異名で高校野球界において広くその名を知られる存在となった。高校3年生時には、チームを牽引して県予選のベスト8に進出する成績を残し、プロ球団からも注目されるようになる。

将来性豊かな大型投手として期待され、1995年のプロ野球ドラフト会議において、パシフィック・リーグのオリックス（現在のオリックス・バファローズ）から2位という高順位で指名を受け、プロの世界へと足を踏み入れた。背番号は「34」を与えられ、1996年から2000年までこの番号を背負った。プロ入り1年目には、当時チームの顔であり、国民的スターでもあったイチローをはじめとするチームメイトたちと共に、ハウス食品の「バーモントカレー」のテレビコマーシャルに出演するという、プロ野球選手としては珍しい経験もしている。

しかし、プロ野球選手としての道のりは順風満帆ではなかった。入団して間もなく、右ひざに故障を抱え、手術を受けることになったのである。この手術の影響もあり、プロ入り後に十分な調整期間を確保することが難しくなった。ファーム（二軍）では登板機会を得ていたものの、期待されたような突出した成績を残すまでには至らなかった。結局、一度も一軍公式戦のマウンドに立つ機会を得られないまま、プロ生活を終えることとなる。

プロ入りから5シーズンが経過した2000年、球団から戦力外通告を受けた。現役続行を強く希望した川崎は、横浜ベイスターズ（現在の横浜DeNAベイスターズ）など、他のプロ野球球団の入団テストに挑戦したが、残念ながら新たな契約を結ぶことは叶わなかった。これにより、プロ野球選手としてのキャリアに終止符を打ち、現役を引退する決断を下した。

現役引退後も、野球に携わる道を選んでいる。かつては、ロベルト・バルボン氏が顧問を務めるオリックス・バファローズが主催する野球教室において、指導コーチを務めた経験を持つ。この時の指導実績や手腕が評価され、現在は埼玉県内にあるバッティングドーム施設「アーデルバッティングドーム」にて、投手指導者として勤務している。ここでは、プロを目指す若い選手たちから、野球技術の向上を目指す一般の野球愛好家まで、幅広い層に対してピッチングの指導を行っている。

彼の野球人生や活動については、「川崎泰央記念館」と名付けられたウェブサイトでも見ることができ、幼少期からプロ時代にかけての写真や動画などが公開されている。福井県出身の著名な人物の一人として、またオリックス・バファローズに在籍した選手の一人として、その足跡は語り継がれている。

（関連項目：福井県出身の人物一覧、オリックス・バファローズの選手一覧）

もう一度検索