川崎泰資

川崎泰資（かわさき やすし、1934年10月20日 - ）は、日本のジャーナリストであり、椙山女学園大学の客員教授を務めています。彼はNHKの記者として長年活躍し、報道の現場で重要な役割を果たしました。

東京都出身の川崎は、都立日比谷高等学校を経て東京大学文学部社会学科を卒業しました。その後、NHKに入局し、政治部記者、NHKボン支局長、NHK放送文化研究所主任研究員、NHK放送文化研究所放送情報調査部副部長、NHK甲府放送局長、NHK会長室審議委員などの要職を歴任しました。

政治部副部長（デスク）時代には、NC9ロッキード事件5周年特集の報道をめぐり、当時の幹部であった島桂次と意見が対立しました。この対立が原因となり、1982年に島によって行われたとされる「日放労大虐殺人事」によって、川崎は放送文化研究所へと異動となりました。この人事は、報道の自由や組織内の権力構造に深く関わる問題として、当時大きな議論を呼びました。

NHK退職後は、大谷女子短期大学教授を務めるなど、教育分野でも活躍しました。また、「九条の会」の傘下団体である「マスコミ九条の会」の呼びかけ人としても活動しており、平和運動にも積極的に参加しています。

川崎は、ジャーナリストとしての経験を活かし、複数の著書を執筆しています。これらの著書では、ジャーナリズムのあり方や、NHKと政治の関係、組織ジャーナリズムの問題点などについて深く考察しています。

主な著書としては、以下のようなものがあります。

『ジャーナリズムの原点体験的新聞・放送論』（1996年12月、柴田鉄治共著、岩波書店）
『NHKと政治』（1997年9月、朝日新聞出版）
『NHKと政治（朝日文庫）蝕まれた公共放送』（2000年3月、朝日新聞出版）
『検証 日本の組織ジャーナリズムNHKと朝日新聞』（2004年12月、柴田鉄治共著、岩波書店）
* 『組織ジャーナリズムの敗北 続・NHKと朝日新聞』（2008年2月、柴田鉄治共著、岩波書店）

これらの著書は、ジャーナリズムに関わる人々にとって貴重な資料であるとともに、日本の報道史を研究する上でも重要な文献となっています。川崎泰資は、そのジャーナリストとしての活動と著述活動を通じて、日本の言論界に大きな影響を与えた人物と言えるでしょう。

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