川崎港

川崎港の概要

川崎港は神奈川県川崎市に存在する港で、東京湾に面し、東京港と横浜港に挟まれた位置にあります。この港は、京浜工業地帯の中心的な役割を果たす工業港として知られています。周囲には東京湾岸道路や東京湾横断道路など、広域交通網が整備されており、利便性の高いアクセスを誇っています。また、羽田空港にも近接しているため、国際物流の観点でもその重要性が増しています。

川崎港は、明治末期から埋め立て工事が始まり、1926年に正式に開港しました。それ以来、鉄鋼や石油精製、電気機器、食品など、さまざまな産業が集積し、国内でも有数の工業港としての地位を確立しています。特に、京浜工業地帯の主要な産業を支える存在として、今もなお発展を続けています。

1998年には、東扇島地区にかわさきファズ物流センター（K-FAZ）が開設され、川崎港はさらに商業港としての機能も強化されました。しかし、コンテナターミナルの運営が安定しない時期もあり、貨物取扱量が一時的に落ち込みました。特に2004年には、運営を担っていた第三セクターが経営不振に陥り、破産しています。その後は市が管理運営を行い、コンテナターミナルを公共の施設として運用しています。

近年、貨物取り扱い量は若干の改善を見せているものの、港の規模は大きく、他の大規模な港と比較すると利用状況は依然として低迷しています。特に東京港や横浜港と比較すると、その閑散ぶりは目立ちます。しかし、港の周辺には国内最大級の冷凍・冷蔵倉庫群や総合物流拠点が開発されており、ここにおける保管や流通機能は着実に強化されています。具体的には、東扇島地区では保管・流通機能の充実が進み、これを背景にコンテナ埠頭の活性化が厳しい課題となっています。

さらに、2017年には「みなとオアシス川崎」として観光および地域振興の取り組みが進められています。川崎マリエンをはじめとする施設を通じて、交流機能や情報発信力の強化が図られ、川崎港周辺の魅力向上が目指されています。このような振興策に加え、最近では地震などの自然災害に備えるための防災拠点としての役割も期待されており、基幹的な広域防災拠点の整備が進められています。

港湾規模

川崎港は約10km弱の幅と5km弱の長さを持ち、広大な港湾区域を形成しています。

船舶入港実績（平成14年度）

• - 隻数：36,629隻（外航船：2,600隻、内航船：34,029隻）
• - 総トン数：90,642,097トン（外航船：62,105,403トン、内航船：28,536,694トン）

海上の出入貨物（平成15年度）

• - 取扱貨物量：96,327千トン（外貿：59.6%、内貿：40.4%）

- 輸出：4,654千トン（主な品目：完成車両、化学薬品など）
- 輸入：52,738千トン（主な品目：原油、LNG、鉄鉱石など）

貿易額（平成15年度）

• - 輸出：884,833,757千円
• - 輸入：1,397,637,131千円
• - 合計：2,282,470,888千円

歴史

• - 1926年：川崎港開港
• - 1935年：横浜税関川崎出張所を設置
• - 1955年：貿易統計の計上を開始
• - 1998年：かわさきファズ物流センターが稼働

このように川崎港は、工業港としての機能はもちろん、近年は物流や観光、さらには防災拠点としての役割にも力を入れています。今後の発展が期待される重要な施設です。

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