防災拠点

防災拠点について

防災拠点とは、災害が発生した際に防災活動の拠点となる施設や場所を指します。平常時には、防災に関する講習会や訓練が実施されたり、地域住民の交流の場として活用されたりします。

防災拠点の定義

防災拠点としての位置づけは、各自治体が策定する地域[[防災計画]]に基づいて定義されるため、その役割や機能は一律ではありません。広義には、避難場所や防災倉庫、救援物資の集積所、応急復旧活動の拠点、防災活動の本部施設などが含まれます。狭義には、防災活動拠点（本部施設や応急復旧活動の拠点）を指す場合が多いです。

防災拠点の種類

消防庁は、防災拠点の役割と規模に応じて、以下の様な分類をしています。

コミュニティ防災拠点: 地域住民による自主的な防災活動や緊急避難場所として活用されます。主に町内会などの単位で設置されます。
地域防災拠点: 市町村などの現地活動拠点、短中期の避難場所、コミュニティ防災拠点の補完機能などを担います。小中学校区単位で設置されることが多いです。
広域防災拠点: 広域的な応援のベースキャンプや緊急物資の流通・配給基地として機能します。都道府県の管轄区域に数か所設置されます。

これらの分類には、面積や設備に関する具体的な基準は示されていません。ただし、防災公園街区整備事業の対象となる防災拠点の面積要件として、地域防災拠点は10ha以上、広域防災公園はおおむね50ha以上とされています。

広域防災拠点

広域防災拠点とは、都道府県などの自治体の管轄区域を越えた広範囲な応急復旧活動の展開拠点、または救援物資の中継拠点となる施設です。消防庁が例示する広域防災拠点の機能は以下の通りです。

災害時の機能

災害対策本部またはその補完機能
広域支援部隊などの活動要員の一時集結・ベースキャンプ機能
災害医療活動の支援機能
備蓄物資の効果的な供給機能
救援物資の中継・分配機能
海外からの救援物資の受け入れ機能

平常時の機能

広域支援部隊などの研修・訓練機能
防災に関する市民への教育・育成機能
防災研究開発機能

基幹的広域防災拠点

基幹的広域防災拠点とは、都道府県単位では対応が困難な広域かつ甚大な災害に対して、国と地方自治体が協力して応急復旧活動を展開するための広域防災拠点です。首都圏と京阪神圏においては、都市再生プロジェクトに基づき、国（国土交通省）が事業主体となって整備が進められています。名古屋圏においても、同様の中核的広域防災拠点の整備が計画されています。

基幹的広域防災拠点の整備にあたっては、広域防災拠点の機能に加えて、合同現地対策本部を設置するためのオペレーションルーム、中央防災無線網などの多重系の防災通信施設、要員・物資輸送のためのヘリポート、救援物資の中継輸送や広域支援部隊のベースキャンプ用の広大な用地の確保が求められます。

各地の拠点

首都圏
東京湾臨海部基幹的広域防災拠点
有明の丘地区 - 東京臨海広域防災公園 （東京都江東区）
東扇島地区 - 東扇島東公園 （神奈川県川崎市）
京阪神都市圏
神戸地区
高次支援機能 - 三木総合防災公園 （兵庫県三木市）
大阪地区
司令塔機能 - 大阪合同庁舎第４号館（暫定施設）
高次支援機能 - 堺泉北港堺2区基幹的広域防災拠点 （大阪府泉大津市）
京阪奈地区
高次支援機能 - 山城総合運動公園 （京都府宇治市）
名古屋圏
名古屋空港周辺
* 名古屋港周辺

まとめ

防災拠点は、災害時の活動拠点として重要な役割を担っています。平常時からの活用を通じて、地域防災力の向上に貢献することが期待されています。

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