川瀬徳太郎

川瀬 徳太郎の生涯

川瀬徳太郎（1886年2月20日 - 1964年1月22日）は、福岡県に生まれ、日本の廃娼運動における重要な人物であるとともに、日本福音ルーテル八幡教会の創設者として知られています。彼の生涯は、信仰心と社会奉仕の精神に根ざしたものであり、地域社会に多大な貢献を果たしました。

幼少期と教育

福岡県宗像市の養家に生まれた徳太郎は、1904年の満18歳で日露戦争に従軍し、その後の復員後は農学校の蚕業部に勤務しました。彼は同僚の影響を受けて、久留米福音ルーテル教会に通い始め、キリスト教への理解を深めるきっかけとなりました。1907年に洗礼を受けた後、教会への熱意を持ち続けました。

教会への関わりと廃娼運動

徳太郎は、1911年に福岡市教会の副牧師に就任し、教会の活動に従事しましたが、すぐに日本福音ルーテル教会を離れました。その後、東京救世軍士官学校に進学し、卒業後は横浜小隊の指導者として活動を開始します。彼は博愛や慈善に取り組み、特に廃娼運動に熱心に関わったことが特徴です。高知では、暴漢に襲われることもありながら、地域の女性たちに声をかけ、救済を訴えました。

結婚と新たな出発

1919年、廃娼運動の一環として行っていた路傍伝道を通じて、美世子と結婚します。この新しい家庭生活の中で、徳太郎はますます信仰の実践に力を入れるようになり、地域の信者たちと共に教会を発展させていきました。

教会創設と地域貢献

1921年に教職に認定され、1920年に日本労友会を発足させるなど、労働者の権利にも積極的に関与しました。さらに1934年には、八幡市に教会堂を建設するための土地を得て、1937年に完成させることができました。この教会は後に日本福音ルーテル八幡教会として多くの地域住民に愛され続けました。

晩年と名誉牧師

その後も地域社会への貢献を続け、1959年に体調を崩して伝道活動からは引退するものの、名誉牧師としての地位を保ちました。1964年に79歳で亡くなるまで、彼の影響は地域に深く根付いていました。

記念祭

彼の死後、2014年には、川瀬徳太郎の昇天50年を記念する祭りが行われ、多くの関係者が彼の功績を称えました。徳太郎の生涯は、信仰を基盤にした社会への貢献の重要性を教えてくれます。彼は、困難な時代の中で多くの人々に希望と救済をもたらした人物であり、その影響は今でも語り継がれています。

もう一度検索