川畑伸一郎

川畑 伸一郎（かわばた しんいちろう）

川畑 伸一郎（1966年12月5日生まれ）は、日本の元社会人野球選手です。主に外野手、指名打者としてプレーし、その卓越した打撃力で多くの実績を残しました。また、国際舞台でも日本の代表として活躍しました。

経歴

鹿児島県で育った川畑氏は、鹿児島市立和田中学校を卒業後、地元の強豪校である鹿児島商業高等学校に進学しました。高校時代には残念ながら全国大会への出場機会には恵まれませんでしたが、卒業後は社会人野球のトップチームの一つである住友金属に入社し、野球を続けました。

住友金属では、川畑氏はチームの主力打者として頭角を現します。入社5年目となる1989年には、社会人野球の主要大会である日本選手権において、指名打者として出場し、チームの優勝に大きく貢献しました。この活躍が評価され、大会優秀選手にも選出されています。

1991年は、川畑氏にとって飛躍の年となりました。同年の都市対抗野球大会では、外野手として出場し、2本塁打を放つなど持ち前の長打力をいかんなく発揮。ここでも大会優秀選手に選ばれるという栄誉に浴しました。さらに、その年の社会人野球界で最も活躍した選手に贈られる社会人ベストナインにも選出され、名実ともに日本を代表する社会人野手としての地位を確立しました。

所属チームである住友金属の他、補強選手としても都市対抗野球大会に出場しています。1992年には日本生命の一員として、そして1993年には松下電器の一員として都市対抗の舞台に立ちました。特に1993年の大会では、松下電器で指名打者としてチームを牽引し、再び大会優秀選手に選ばれています。

また、1993年の日本選手権では、一塁手として出場。ここでも優れた打撃を見せ、打撃賞を受賞する活躍でチームを優勝に導くなど、複数のポジションで高い打撃技術を発揮しました。

オリンピック代表

川畑氏のキャリアにおける特筆すべき点は、国際大会での活躍です。1992年に開催されたバルセロナオリンピックにおいて、野球日本代表に選出されました。この大会で野球は公開競技として実施されました。

川畑氏は予選リーグの重要な局面で打線の中軸を担いました。対プエルトリコ戦、対キューバ戦、対イタリア戦の計3試合で、五番または六番・指名打者としてスターティングメンバーに名を連ねました。特にキューバ戦では打点を記録しています。

しかし、オリンピックという国際舞台の強豪を相手にしたこれらの3試合では、通算で9打数1安打という結果に終わりました。このため、決勝トーナメント以降の試合では出場機会を得ることはできませんでしたが、オリンピックという世界の檜舞台を経験したことは、そのキャリアにおいて貴重な財産となりました。

社会人野球界で長年にわたり強打者として活躍し、数々の個人タイトルやチームの優勝に貢献。さらにオリンピック代表としても国際経験を積んだ川畑伸一郎氏は、日本社会人野球史にその名を刻む選手の一人と言えるでしょう。

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