川端香男里

川端 香男里 - 日本のロシア文学者

川端 香男里（かわばた かおり、1933年12月24日 - 2021年2月3日）は、日本の著名なロシア文学者であり、東京大学の名誉教授として多くの学問的業績を残しました。彼はまた、川端康成記念会の理事長を務め、文学界に貢献しました。香男里は、福岡県出身の英文学者・翻訳家の山本政喜の三男として東京に生まれ、教育を通じて豊かな知識を培いました。

学歴と留学

香男里は、開成中学、東京都立第六高等学校（現・東京都立新宿高等学校）を卒業後、東京大学教養学部でフランス分科を専攻しました。その後、大学院に進学し、比較文学及び比較文化を研究しました。1960年から1963年にかけてフランスのパリ大学に留学し、この経験が彼の文学研究に大きな影響を与えました。

職業歴

1963年から北海道大学文学部で専任講師としてのキャリアがスタートしました。1965年にはカレル大学、モスクワ大学に留学し、1967年7月には川端康成の養女である政子と結婚しました。結婚式はモスクワの日本大使館にて行われ、帰国後に披露宴が行われました。

香男里は1971年に東京大学の教養学部講師に就任し、1973年には文学部の助教授、後に教授としてロシア文学の専攻を新設しました。1991年にはロシア・東欧学会の代表理事となり、さらに1994年に東京大学を退官後は中部大学国際関係学部教授、川村学園女子大学教授、及び副学長を歴任しました。NHKラジオの「ロシア語講座応用編」の講師も務め、幅広い知識を一般の人々に広めました。

学術的貢献

香男里の著書としては『ユートピアの幻想』や『薔薇と十字架 ロシア文学の世界』などがあり、ロシア文学を専門とする学者として多くの作品を発表しています。彼の指導の下で、東京大学ではロシア語およびロシア文学の教育が強化され、若い世代の研究者の育成にも力を注ぎました。

晩年と死去

2009年には日本ロシア・東欧研究連絡協議会の初代代表幹事に選任され、その後も多くの学術的活動に関与し続けました。2021年2月3日、老衰により逝去したことは、多くの学者や学生にとって大きな喪失となりました。

川端香男里は、その教育者としての情熱、研究者としての深い見識、そして文学界への多大な貢献で記憶され続けるでしょう。彼の遺した業績は、今後も研究や教育において重要な指針となるはずです。

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