川部・高森古墳群

川部・高森古墳群について

川部・高森古墳群（かわべ・たかもりこふんぐん）は、大分県宇佐市高森の京塚に位置しています。1980年に国の史跡に指定され、その重要性が認識されています。この地域は、歴史的な公園として整備されており、訪れる人々にとって貴重な文化財となっています。

古墳群の概要

川部・高森古墳群は、宇佐市内を流れる駅館川の右岸にある台地に広がっており、6基の前方後円墳を中心に、さらに約120基の円墳や周溝墓が点在しています。この古墳群は、大分県内最大の規模を誇り、九州地域でも約320基の古墳を有する宮崎県の西都原古墳群に次ぐ重要な古墳群です。

各前方後円墳の配置には明確な規則性は見られず、各墳の軸方向も多様性があります。また、周辺の古墳は一部が消失しているため、墳墓であると直ちに確認できないものも多く見受けられます。これらの前方後円墳に埋葬されているのは、古墳時代にこの地域を支配していた首長やその一族と考えられ、その周囲にある古墳はその属臣や仲間たちの墓と推測されています。3世紀から6世紀にかけて、同一エリアにわたって古墳の築造が続けられていたことは、地域の安定した支配体制を示唆しています。また、出土品は宇佐風土記の丘内にある大分県立歴史博物館で展示されています。

前方後円墳の詳細

赤塚古墳

赤塚古墳（あかつかこふん）は全長57.5メートル、後円部の直径36メートル、高さ4.8メートルの前方後円墳です。九州において最古の前方後円墳とされ、3世紀末に築造されました。周囲には空濠があり、内部には箱式石棺が存在し、1921年の発掘で多くの副葬品が見つかりました。

免ヶ平古墳

免ヶ平古墳（めんがひらこふん）は現在は直径30.5メートル、高さ4メートルの円墳として知られていますが、元々は約50メートルの前方後円墳だったと考えられています。副葬品には多様な鏡や武器、装飾品が含まれており、4世紀後半に築造されたとされています。

福勝寺古墳

福勝寺古墳（ふくしょうじこふん）は全長78メートルと、川部・高森古墳群で最大の大きさを誇る前方後円墳です。5世紀前半に作られたと推定され、その内部については未調査ながら大きな文化的価値を持っています。

車坂古墳

車坂古墳（くるまざかこふん）は全長58メートルの前方後円墳で、5世紀に築かれたと考えられています。周囲には空濠が設けられており、内部は未調査です。

角房古墳

角房古墳（かくぼうこふん）は全長46メートル、5世紀の造営と推測されています。周囲には空濠が存在し、こちらも内部は未調査の状態です。

鶴見古墳

鶴見古墳（つるみこふん）は全長31メートルで、6世紀中頃に築かれたと考えられています。特徴的な石室を持ち、副葬品にはガラス製小玉や銅釧などさまざまなものが見つかっています。

文化財としての重要性

川部・高森古墳群は現在、国の重要文化財として認識されており、当該地域の歴史的遺産として重要な役割を果たしています。出土品は大分県立歴史博物館で保管され、一般公開されています。今後もさらなる研究が進むことにより、古墳群の持つ文化的な意義が明らかになり続けることでしょう。

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