川野一成

川野一成の柔道家としての軌跡

川野一成（かわの かずなり）は、日本の柔道界において非常に重要な役割を果たしている名指導者であり、1944年1月25日に福岡県で生まれました。彼の柔道のキャリアは、中学校時代に始まりましたが、当初は特に目立った成果を挙げることはありませんでした。コーチの上野孫吉から厳しい言葉を投げかけられることもあった彼ですが、それでも柔道への情熱は消えることはありませんでした。

その後、川野氏は国士舘大学に進学し、卒業後は福岡に戻らずに東京に留まることを決意。国士舘高校の教員として、さらに柔道部の監督に就任しました。当初は指導に対する熱意が薄かったものの、選手たちが思うように勝てない姿を見て、自らも指導に積極的に取り組むようになりました。この転機によって、彼の指導者としての人生が開花していったのです。

川野の指導のもとで、多くの有名選手が成長を遂げました。その中でも特に有名な選手として、ロサンゼルスオリンピック及びソウルオリンピックの95kg超級金メダリスト、斎藤仁が挙げられます。斎藤選手をスカウトする際、川野氏は困難に直面しました。寮の火事により持ち物を失い、薄手のジャケットを重ね着して青森県に向かうという厳しい状況でしたが、彼の熱意は変わりませんでした。1977年には、斎藤選手の活躍もあり、インターハイ団体戦で初優勝を果たします。

1985年には国士舘中学柔道部が創設され、彼はその監督に就任しました。高校の監督をしていた岩渕公一とともに、柔道部の体制が整えられ、川野氏は中高一貫の指導を確立していきました。さらに、1990年には全国中学校[[柔道大会]]での優勝を収め、以降も数多くの全国大会での勝利を手にしました。特に高校選手権では、8回の優勝や金鷲旗で9回、インターハイでは14回の優勝を達成しています。

川野は自ら育てた選手たちを常に誇ることなく、彼らの努力を称賛する姿勢を持っていました。この優れた指導方法が、多くの選手にとって大きなモチベーションとなり、結果を出す要因となったのです。特に、寝技を重視した指導法は、数々のアスリートたちのパフォーマンス向上に寄与しました。

2002年には国士舘中学と高校の副校長に就任し、2004年からは校長として幅広い教育活動に携わりました。2016年に退任後も国士舘スポーツ振興会の会長に就任し、後進の育成に貢献し続けています。家族においても、長男は作陽高校の柔道部監督、次男は国士舘中学の監督として活動しており、川野の柔道愛は次世代にも引き継がれているのです。

川野一成の柔道家としての軌跡は、数々の記録とともに、後進を育てる情熱に満ちています。彼の情熱と経験は、日本の柔道界において貴重な資産となっており、今後も多くの選手たちを導いていくことでしょう。

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