岩渕公一

岩渕公一の柔道キャリア

岩渕公一（いわぶち こういち）は、1955年に岩手県で農家に生まれた。大きな体躯に恵まれ、中学校の時期から柔道に取り組むようになる。彼の柔道の基盤は、岩手県立藤沢高等学校での活動にあった。高校時代には柔道部に所属し、その後国士舘大学へ進学し、さらに柔道の技術を磨く。

大学を卒業後、岩渕は国士舘高校で保健体育の教員として勤務し、同校の柔道部を指導する立場に就く。1978年、彼は病気療養中の監督の代理を務めており、その際に国士舘高校は夏季インターハイ団体戦で二連覇を達成するという偉業を成し遂げた。川野一成監督が復帰後、中学と高校の柔道部の連携した指導体制が確立され、本格的に選手の育成に取り組むこととなった。

達成した功績は、1995年の高校選手権団体戦で17年ぶりに全国優勝を果たすなど、熾烈な競争の中での成功に結びついた。その後、岩渕監督は数々の大会で好成績を収めていく。特に高校選手権では8回の優勝、金鷲旗大会では9回優勝を達成し、インターハイでも14回の優勝を果たしている。2000年、2010年、2015年には高校団体大会において3冠を制するなど、監督としての存在感を強めていく。

また、岩渕は選手育成にも力を注いでおり、彼が指導した選手の中には、アテネオリンピックと北京オリンピックの金メダリスト、鈴木桂治と石井慧がいる。さらに、アテネ及び北京オリンピックでメダルを獲得した内柴正人や、元無差別世界3位の高井洋平なども岩渕の指導を受けて成長した。このように、彼は足技を重視した独自の指導法によって、数々の実力派選手を育て上げ、その名声を高めている。

2016年からは国士舘中学及び高校の副校長として教育現場にも関与し、その後2019年には校長に就任した。教育者としても彼の影響力は大きく、柔道界における貢献が継続している。

岩渕公一氏の家族にも関心が向く。彼の息子、侑生も柔道選手として活動し、2013年には世界ジュニア73kg級の代表に選ばれた。しかし、団体戦や個人戦で初戦敗退が続いたことは、彼にとって厳しい現実だった。

岩渕公一の著作や映像教材も注目に値する。彼が関与した書籍には『国士舘柔道の秘訣 全国優勝常連校の技を得る』（1997年）や『もっと強くなれる! 勝つ柔道 固め技のコツ55』（2013年）などがあり、これは彼の指導ノウハウを後世に伝える重要な資料として広く使われている。

このように岩渕公一は、日本の柔道界において多大な影響を与え、今もなおその活躍は続いている。選手としてのキャリアから監督、教育者としての役割を果たし、次世代の柔道家たちにインスピレーションを与える存在である。

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