州吁

州吁（しゅうく）とその生涯

州吁は、衛の第14代君主であり、荘公の子で桓公の弟です。彼の生涯は、兄の公位を奪うという劇的な事件とその後の波乱に富んだ政治的動きで彩られています。

幼少期と将軍としての任命

州吁は荘公とその妾の間に生まれました。彼は成人した時点で、兵戦を好む性格が見え隠れしていました。荘公18年（紀元前740年）、荘公は州吁を将軍に任命しますが、その決定に対して上卿の石碏が諫言を行います。しかし荘公は聞き入れず、州吁は軍事活動を開始しました。

兄桓公との対立

桓公2年（紀元前733年）、州吁は兄の桓公から排斥され、衛の地を離れます。兄弟間の権力争いは、彼が政治的な立場を失っていくことを意味しました。この時期、州吁は他の国々との連携を模索し、彼の運命は新たな展開を迎えます。

鄭との同盟と桓公の死

桓公13年（紀元前722年）、州吁は逃亡者である鄭伯（荘公）の弟、共叔段と手を結びます。彼らは桓公を襲撃する計画を立てます。桓公16年（紀元前719年）の春、州吁は鄭の逃亡者たちと共に襲撃を実行し、桓公を殺害します。これにより、自ら衛の君主となるのです。

州吁は、共叔段のために鄭を攻撃する計画を進め、同盟国である宋、陳、蔡の三国に協力を求めます。この要求は受け入れられ、四カ国の連合軍は鄭を5日間攻撃しますが、最終的には撤退を余儀なくされます。秋には再び鄭を攻撃し、魯にも援軍を要請しました。

この戦いでは、魯の公子翬が援軍として駆け付け、連合軍は勝利を収めました。しかし、その勝利は州吁に対する人民の反感をさらに助長しました。

州吁の最期

州吁の側近であり、旧臣の石碏は、陳に身を寄せ、同国の桓公と共謀し、州吁を殺す計画を練ります。9月、州吁と側近の石厚は陳で捕えられ、濮の地で処刑されました。この時、衛からは右宰の丑が立ち会いに来ました。

その後、衛の君主の座は桓公の弟である晋が引き継ぐこととなり、州吁の短い統治は終焉を迎えました。州吁の権力掌握は一時的であり、彼の行動がもたらした影響は深く、彼の死後も衛の歴史に残ることとなります。

結論

州吁の物語は、権力を得ることがどれほど困難であり、また他者との関係がいかに複雑であるかを教えてくれます。兄を襲撃して公位を手に入れた彼の運命は、権力と対立の激しい歴史の一端を示すものと言えるでしょう。

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