魯

魯（ろ）とは

魯（ろ）は、古代中国の国名および地名であり、現代の中国山東省南部を指す言葉としても用いられています。この名称は、山東省全体を象徴する雅名としても使用され、その歴史は紀元前1055年から紀元前256年にかけて存在した諸侯国にまで遡ります。魯の君主たちは代々侯爵の爵位を持ち、姓は姫（き）でありました。その首府は曲阜に位置していました。

歴史的背景

魯の国は、周公旦の子である伯禽によって成立しました。周公旦は周王朝の開祖である武王の弟で、武王の息子成王を補佐していました。こうして、伯禽は成王から封じられ、魯国の基盤が整いました。

春秋時代に入ると、魯は晋、斉、楚などの周辺の大国の影響を受けて小国へと変貌しました。また、魯国内では公族の三桓氏が政治の実権を握ったため、国政には混乱が続きました。しかし、この混沌とした小国が文化と思想の発展において重要な役割を果たしたのです。

周王朝の礼制を受け継いだ魯では、古い礼制が残り、これを体系化した儒教が後に発展しました。儒教の創始者である孔子は魯出身で、彼の思想には魯の伝統文化が色濃く反映されています。孔子は若い頃には魯に仕官し、その後は各国を放浪しながらも、魯の文化を基にした教えを弟子に伝えました。また、「春秋」は魯国の歴史を記録した資料で、隠公元年（紀元前722年）から哀公14年（紀元前481年）までの出来事が詳細に記されています。

魯の衰退

孔子の死後、魯は次第に衰退していき、実質的には三桓氏に国が分割される形となりました。魯公室は細々と存続しましたが、紀元前249年には楚に併合され、国としての魯は滅亡を迎えました。

歴代君主

魯国の歴代君主は多く、伯禽から始まり、次第に多くの公が治世を行いました。主な君主には以下のような人物が含まれます。

• - 伯禽（紀元前1042年-紀元前997年）在位46年
• - 魏公（沸）（紀元前973年-紀元前924年）在位50年
• - 襄公（午）（紀元前572年-紀元前542年）在位31年（期間中、孔子が仕えていました）
• - 穆公（顕）（紀元前415年-紀元前383年）在位33年（孔子の孫、子思が仕えていました）

各君主が在位中にさまざまな出来事があったことが記録されており、国の政治や文化に大きな影響を与えました。魯の歴史は、当時の複雑な政局と文化の発展を物語っています。

結局、魯国はその文化的な貢献が評価され続け、影響を及ぼし続けたものの、政治的には不安定さが続き、最終的にその姿を消す結果となりました。

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