工作物

工作物：定義と種類

工作物とは、材料を加工して作られたもの、または機械的加工と組み立てによって作られた製品を指します。図画工作などの作品も含まれますが、建築関連の法律では、門、塀、電柱、建物、トンネル、溝渠など、地上または地中に人工的に設置された建造物を指すことが多く、その定義は法律によって異なります。

建築基準法における工作物

建築基準法では、工作物は建築物とは区別され、用途規制や位置制限の対象となる場合があります。「指定工作物」として、製造施設、貯蔵施設、遊戯施設、自動車車庫（屋根のないもの）、汚物処理場、ごみ焼却場などが挙げられます。これらの工作物には、用途規制や位置制限が適用されます。

その他の法律における工作物

特定工作物や電気工作物は、それぞれ関連法規で定義されています。民法における工作物責任でも、工作物の定義が重要な要素となります。過去のガイドラインでは、「人為的な労作により土地に固定されたもの」と定義されています。

工作物の分類例

具体的な分類は自治体によって異なりますが、高さや面積によって分類される場合があります。例えば、京都市の例では、高さ1メートルを超える自動販売機や、水平投影面積が5平方メートルを超える軒先テントなどが第1類工作物として分類されます。

一方、高さ1.5メートルを超える垣、柵、塀、擁壁、煙突、電波塔、高架水槽、彫像、自動車車庫なども、それぞれ種類によって分類されます。歴史的建造物のある地域では、さらに詳細な分類や許可が必要となる場合があります。

建築基準法における確認申請対象工作物

建築基準法では、一定の高さを超える工作物について、確認申請が必要となります。申請対象となる工作物には、以下のものがあります。

準用工作物（高さが基準を超えるもの）
煙突（6メートルを超える独立したもの）
鉄筋コンクリートの柱、鉄柱、木柱など（15メートルを超えるもの、ただし一部例外あり）
広告塔、広告板、装飾塔、記念塔など（4メートルを超えるもの、ただし建築物と一体の場合は除く）
高架水槽、サイロ、物見塔（8メートルを超える独立したもの）
擁壁類（2メートルを超えるもの）
準用工作物（遊具など）
一般交通用を除く観光用のエレベーター、エスカレーター
ウォーターシュート、コースターなどの高架の遊戯施設
メリーゴーランド、観覧車、飛行塔などの原動機付き回転遊戯施設

確認申請が不要な工作物

開発許可を受けた擁壁、鉄道敷地内の運転保安に関するもの、太陽光発電設備（ただし条件あり）、浮体式洋上風車、風力発電設備などは、確認申請が不要な場合があります。また、エレベーターやエスカレーターなど、建築設備として扱われるものも、工作物とはみなされません。

まとめ

工作物の定義と分類は、関連する法律や条例によって異なり、その高さ、用途、設置場所などによって、確認申請の必要性などが変わってきます。建築物と工作物の違いを理解し、それぞれの規定に則った対応をすることが重要です。

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