工作物石綿事前調査者

工作物石綿事前調査者とは

工作物石綿事前調査者とは、建築物以外の構造物（橋梁、プラント設備など）における石綿（アスベスト）含有調査を行う専門家です。この資格は、石綿による健康被害を防ぐために、解体・改修工事前に石綿の有無を正確に調査することを目的としています。資格取得者は、事業者によって選任され、適切な調査と報告書の作成を行います。

受講資格

工作物石綿事前調査者講習を受講するためには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

石綿作業主任者技能講習修了者：実務経験は不要です。
大学卒業者：工学に関する課程または相当課程を修了し、2年以上の工作物に関する実務経験が必要です。
3年制短期大学卒業者：工学に関する課程または相当課程を修了し、3年以上の工作物に関する実務経験が必要です。
短期大学または高等専門学校卒業者：建築に関する課程または相当課程を修了し、4年以上の工作物に関する実務経験が必要です。
高等学校または中等教育学校卒業者：建築に関する課程または相当課程を修了し、7年以上の工作物に関する実務経験が必要です。
実務経験者：工作物に関する11年以上の実務経験が必要です。
特定化学物質等作業主任者技能講習修了者：2006年3月31日以前に修了し、建築物石綿含有建材調査に関する5年以上の実務経験が必要です。
建築行政経験者：2年以上の建築行政に関する実務経験が必要です。
環境行政経験者：2年以上の環境行政（石綿飛散防止に関するものに限る）に関する実務経験が必要です。
産業安全専門官または労働衛生専門官：労働安全衛生法第93条第1項に該当する者、または過去に該当していた者。
労働基準監督官：2年以上その職務に従事した者。

講習内容

講習時間は合計11時間で、以下の内容が含まれます。

1. 工作物石綿事前調査に関する基礎知識1（1時間）
石綿の基礎知識、関連法規、調査の必要性などを学びます。
2. 工作物石綿事前調査に関する基礎知識2（1時間）
石綿の種類、有害性、健康被害のリスクなどを学びます。
3. 石綿使用に係る工作物図面調査（4時間）
図面の読み解き方、石綿含有建材の特定方法を学びます。
4. 現場調査の実際と留意点（4時間）
調査手順、記録方法、安全管理について学びます。
5. 工作物石綿事前調査報告書の作成（1時間）
報告書の記載事項、作成方法を学びます。

講習の最後には、修了試験が実施され、合格することで資格を取得できます。

関連資格

工作物石綿事前調査者に関連する資格として、以下のようなものがあります。

石綿作業主任者：石綿作業の現場で作業者を指揮監督する役割。
建築物石綿含有建材調査者：建築物の石綿調査を行う専門家。
船舶石綿含有資材調査者：船舶の石綿調査を行う専門家。

外部リンク

以下のリンク先で、さらに詳しい情報を得ることができます。

日本建設情報センター
一般財団法人日本環境衛生センター
一般社団法人環境科学対策センター
一般社団法人企業環境リスク解決機構
一般社団法人日本ボイラ協会

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