工場へ行こう

『工場へ行こう』（こうじょうへいこう）は、テレビ愛知が制作・放送する人気の情報バラエティ番組です。日本のものづくりを支える工場の内部に潜入し、普段は見ることのできない製造工程や高度な技術、働く人々の熱意に迫ります。

番組は放送時期によってタイトルを変遷させてきました。2012年 11月25日にスタートした当初は『工場へ行こう!〜ヒット商品誕生物語〜』として放送され、身近なヒット商品がどのように生まれるのかを紹介しました。2016年4月からは『工場へ行こう PARTII AMAZING FACTORY』とタイトルを改め、取り上げる対象を広げつつ、番組構成も進化。そして2020年 10月3日からは、経済情報に強い日本経済新聞社の冠番組として『日経プレミアム工場へ行こうⅢ AMAZING FACTORY』として放送が続いています。

番組内容と特徴

この番組の大きな特徴は、東海地方を中心とした多岐にわたる企業の工場を紹介している点です。食料品や日用品から、自動車関連部品、産業機械、さらには乗り物や建築資材に至るまで、様々な分野の製品がどのように作られているのかを詳細に描きます。

そのために駆使されるのが、特別な撮影技術です。通常のカメラに加えて、スーパースローカメラや特殊カメラを用いることで、肉眼では捉えきれない微細な動きや熟練の職人技の緻密さ、ダイナミックな製造工程の迫力を鮮明に映し出します。これにより、ものづくりの現場の凄みや美しさを視聴者に伝えています。

また、Part II以降は、単に製造工程を見せるだけでなく、開発者や職人へのインタビューを通じて、製品に込められた想いや開発の苦労、技術へのこだわりを掘り下げています。さらに、開発秘話などを再現ドラマとして描くことで、物語性を持たせ、製品誕生の背景にある人間ドラマにも焦点を当てています。この再現ドラマには、名古屋の芸能事務所所属の俳優のほか、寺坂頼我さん、大場美奈さんといった顔ぶれも出演しています。

出演者

番組のナレーションは、長年にわたり俳優の平泉成さんが担当しており、渋く落ち着いた語り口で番組の世界観を醸成しています。Part II以降は顔出し出演も行っています。また、Part IIでは坂口陽香さん、Part IIIでは城ヶ崎祐子さんがナレーションを務めるなど、パートによって担当者が変わっています。

放送形態と視聴方法

放送開始当初は月1回の30分番組でしたが、Part II以降は時間が拡大され、基本的には月1回の放送（不定期）となっています。Part IIの初期には隔週放送だった時期もあります。また、特定のテーマに沿って複数の企業を取り上げるスペシャル回や、過去の映像と新録を編集した特別編などが放送されることもあります。2020年7月には、番組初のゲストとしてお笑いタレントの千原ジュニアさんが出演した回もありました。

テレビ愛知での放送に加え、CS放送のファミリー劇場でも放送されています。さらに、現代の視聴スタイルに合わせて、様々なプラットフォームでのネット配信も積極的に行われています。YouTubeでは番組の一部が、Locipo、TVerでは見逃し配信が提供されています（期間に制限あり）。U-NEXTやAmazon Prime Videoでも番組の一部が有料配信されており、過去にはGYAO!やParaviでの配信も行われていました。

取り上げられた企業・製品の例

これまで番組では、非常に多種多様な工場が紹介されてきました。例えば、東海漬物の「きゅうりのキューちゃん」、坂角総本舗の「ゆかり」といった地元を代表する食品から、カリモク家具やエアウィーヴといった生活に関わる製品、シヤチハタの印鑑、馬印の黒板・チョークなどの文具・事務用品、さらにはヤマザキマザックの工作機械、日本車輌製造の新幹線、川崎重工業のドクターヘリ、ジャパンマリンユナイテッドの巨大船、中部国際空港の飛行機格納庫、名古屋鉄道の車両など、インフラや乗り物に関わるものづくりも数多く取り上げています。また、いわさきグループの食品サンプルや、カクダイの蛇口、日本製麻のあんかけスパ麺など、ユニークな製品の工場も登場しており、日本のものづくりの奥深さと多様性を伝えています。

『工場へ行こう』シリーズは、普段何気なく使っている製品の裏側にある技術や人々の努力を知ることで、ものづくりに対する新たな発見と感動を与えてくれる番組と言えるでしょう。

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