工学院大学短期大学部

工学院大学短期大学部

工学院大学短期大学部は、かつて東京都新宿区に本部を置いていた日本の私立短期大学です。学校法人工学院大学を設置主体とし、戦後間もない1950年に開学しました。これは、国内で最初に認可された短期大学149校の一つとして数えられます。しかし、わずか7年後の1957年にその歴史に幕を下ろしました。

沿革

この短期大学の設立は、1949年10月に文部省へ設置認可申請を行ったことから始まります。申請時には、機械科第二部、工業化学科第二部、電気科第二部、建設科第二部、そして再び工業化学科第二部といった複数の専門分野の設置が構想されていました。この申請を経て、1950年3月14日付けで正式に設置が認可され、同年4月1日に工学院大学短期大学部として開学しました。当初、申請された学科のうち建設科第二部と一方の工業化学科第二部は認可されず、開学当初は機械科第二部、工業化学科第二部、電気科第二部の3学科体制でスタートしました。各学科の入学定員は50名でした。

開学後の学科体制は拡充され、1952年4月1日には新たに建築科第二部が増設されました。これにより、短期大学は4学科体制へと移行します。建築科第二部の入学定員も50名でした。しかし、その活動期間は比較的短く、1954年4月1日に入学した学生を最後に、新規学生の募集を停止しました。そして、1957年2月26日をもって、工学院大学短期大学部は正式に廃止されました。

学風・特色

工学院大学短期大学部の顕著な特色として挙げられるのは、全ての学科が夜間部に設置されていた点です。この体制は、日中に仕事を持ちながらも専門技術を学びたいと願う勤労学生に対して、実践的な技術教育を提供することを目的としていた姿勢を示しています。当時の社会において、働きながら学業を続ける人々を支援し、産業界が必要とする技術者を育成する重要な役割を担っていたと考えられます。

教育組織と内容

本短期大学には、機械科第二部、工業化学科第二部、電気科第二部、そして増設された建築科第二部の計4学科が設置されていました。専攻科や別科は設けられていませんでした。教育内容に関連して、全ての学科において教職課程が設置されていたことも特徴の一つです。これにより、学生は卒業時に中学校教諭二級免許状（職業）および高等学校教諭二級免許状（工業）を取得することが可能でした。また、建築科においては、卒業することで二級建築士の受験資格が得られるような課程が設けられていたとされています。

大学関係者と施設

工学院大学短期大学部の学長は、開学から閉学に至るまで一貫して野口尚一氏が務めました。キャンパスの施設については、設置主体である工学院大学の工学部と共同で使用されていました。

関連事項

工学院大学短期大学部は、その名の通り工学院大学を系列校としていました。また、その短い歴史の中で廃止された日本の短期大学の一つとして、高等教育史において位置づけられています。

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