左右田稔

左右田 稔（そうだ みのる）

1947年10月24日生まれ。日本の著名な実業家であり、東建コーポレーション株式会社の創業者として、長年にわたり同社の経営を牽引してきました。現在の役職は代表取締役会長です。また、雅号として鑑穂（かんすい）を用いています。

経歴

愛知県岡崎市に生を受け、幼少期を豊田市および刈谷市で過ごしました。先祖は明治時代に岡崎で旅館を営んでいたといいます。刈谷市立刈谷南中学校、天理高等学校を経て、東海大学政治経済学部政治学科に進学しました。大学時代は柔道に打ち込み、名指導者として知られる猪熊功氏の薫陶を受け、選手としても活躍しましたが、不運な怪我により柔道の道を断念せざるを得なくなりました。

この挫折を機に、実業界での成功を目指すことを決意し、1968年に大学を中途退学します。その後、故郷である刈谷市に戻り、1970年に鉄骨溶接を手がける左右田企工を創業しました。さらに事業を拡大し、1974年には東名商事を設立。これが現在の東建コーポレーションの源流となります。1979年には、株式会社東名商事（後に東建コーポレーション株式会社へ商号変更）の代表取締役社長に就任し、本格的に賃貸アパート・マンション建築事業へと舵を切りました。

経営者としての道を歩み続け、2013年には代表取締役社長と会長を兼任する体制となりました。そして、2023年12月8日には、副社長を務めていた次男の左右田善猛氏が代表取締役社長兼CEOに就任したことに伴い、自身は代表取締役会長の専任となり、経営の世代交代を進めました。

人物像と活動

実業家としての手腕を発揮する一方で、左右田氏は多岐にわたる趣味と造詣の深さでも知られています。特に、日本刀と甲冑の収集家として非常に著名であり、40年以上にわたって国内外の貴重な刀剣類を集めてきました。そのコレクションは質・量ともに日本有数とされ、刀剣ワールド財団に寄贈されました。

これらの寄贈品は、名古屋市に開館予定の名古屋刀剣博物館「刀剣ワールド」にて展示される計画が進んでおり、一般の人々が日本の刀剣文化に触れる貴重な機会を提供することになります。

主な著書

左右田氏は、「左右田鑑穂」の名義で、自らの経験や哲学に基づいた著書を複数刊行しています。これらの著作は、主に建築、土地活用、経営、ライフスタイルといった幅広いテーマを扱っており、多くの読者に影響を与えてきました。

『成功へのアドバイス』（中日出版社、1984年）
『おしゃれハウス : 住まいが面白くなる』（エフエー出版、1987年） - 全国学校図書館協議会・日本図書館協会選定図書
『土地を活かすリース建築経営 : 土地の有効利用と節税・安定収入』（エフエー出版、1988年）
『賃貸不動産業のe革命』（日経BP企画、2000年）
『建築営業のe革命』（日経BP企画、2001年）
『100歳シニアのイキイキ人生 : 都会か、田舎か、海外か』（日経BP企画、2001年）
『成功へのe革命 : 東建が実証する耐不況ビジネスモデル』（日経BP企画、2003年）
『耐震住宅の建て方・住まい方』（日経BP企画、2004年）
『経営企画力が会社を伸ばす : 発想を必ずカタチにする最強経営術』（日経BP企画、2006年）
『地震に強い家づくり : 安全・安心・快適生活の提案』（日経BP企画、2007年）

柔道の道を志すも怪我により転身し、一代で東建コーポレーションを築き上げた実業家として、また日本文化の保護・顕彰に貢献する刀剣収集家として、多方面でその存在感を示しています。

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