巨勢山323号墳

巨勢山323号墳について

巨勢山323号墳（こせやま323ごうふん）は、奈良県御所市の西寺田にある歴史的な古墳であり、その特徴的な方墳の形状が魅力の一つです。この古墳は、国の史跡に指定されている巨勢山古墳群の一部を構成しています。

概要

この古墳は、奈良盆地の南西部に位置し、巨勢山の支尾根の上に築かれています。興味深い点は、前任の中期古墳（769号墳）を破壊し、その上に新たに築かれたことです。1985年に実施された発掘調査において、多くの貴重な遺物が発見されました。

巨勢山323号墳の具体的なサイズは、南北が11.2メートル、東西が14.8メートル、高さが2.25メートルから3メートルに及びます。墓の築造には版築技法が使われており、埋葬に用いられた空間からは、古墳時代中期に関連する埴輪片や須恵器の破片、さらには鉄器の一部も発見されています。特に、940基以上ある巨勢山古墳群中でも、横口式石槨を持つ古墳は希少であり、その存在は特に注目に値します。この埋葬施設は南向きに開かれており、構造の特異性から古墳群全体の形成を考察する上で重要な役割を果たしています。

埋葬施設の詳細

埋葬施設としては、横口式石槨が設けられ南側に開口しています。この石槨は独自の羨道を通じて接続されており、墓道が続いています。石槨全体の長さは5.36メートル、内訳として、石槨部は長さが2.10メートル、幅が0.90メートル、高さは0.80から0.81メートルです。また、羨道の長さは3.26メートル、幅は1.45から1.55メートル、そして現存する高さは1.17から1.27メートルです。墓道は最大幅が2.5メートル、深さが0.3メートルにまで達します。

埋葬施設の材料には葛城石が用いられており、丁寧に加工された切石と自然の割石を組み合わせています。特に扉石には緑泥片岩が使われており、その最大の厚さは5.1センチメートルに達します。羨道の結構も興味深く、左右の壁は粗い切石と小さな割石で造られ、土床が設置されています。石槨内部は盗掘に遭っており、再利用が行われていることから、さまざまな遺物が出土しました。その中には古い時代の須恵器や土師器が含まれており、中世の使用に伴って焼土や土器片、鉄製品も見つかっています。

交通アクセス

巨勢山323号墳へは、奈良交通の「寺田橋」バス停から約7分の徒歩でアクセス可能です。また、JR和歌山線の高田駅からは約3分の徒歩、または「高砂町」バス停から約30分で、さらに北宇智駅から徒歩約5分の「住川」バス停からも徒歩でのアクセスが可能です。

このように、巨勢山323号墳はその歴史的意義が高く、訪れる価値のあるスポットとなっています。その埋葬施設の独特さや、発見された遺物は、古墳時代の知識を深める上で貴重な情報源となります。

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