巽外夫

巽 外夫の生涯

巽外夫（たつみ そとお）は、1923年10月7日に福井県で生まれ、2021年1月31日に97歳で亡くなった日本の著名な実業家です。彼は住友銀行の頭取を務めた他、マツダの再建に尽力したことで特に知られています。京都大学法学部を卒業後の1947年に住友銀行に入行し、多くの役職を歴任しました。

住友銀行でのキャリア

巽は、旧制京都府立桃山中学校及び旧制松江高等学校を経て、1947年に京都大学法学部を卒業。その後、住友銀行に入行し、平野支店長、本店営業部次長、一宮支店長などを経て、1972年には取締役に就任しました。 1975年には常務取締役、1979年には代表取締役専務に昇進し、1982年には副頭取に就任しました。様々な役職を通じて、銀行の成長に寄与しました。

マツダの再建

1975年、巽は東洋工業（現在のマツダ）の再建を担い、その後のフォード・モーターとの資本提携交渉では重要な役割を果たしました。アメリカの独占禁止法に対する証言を英語で行うなど、国際的な場での交渉でも力を発揮しました。マツダがバブル経済時において過剰投資に直面し、経営が悪化した際には、フォードに追加出資を求めました。1996年にはマツダの社外取締役に就任し、1999年までの20年以上にわたって、同社の経営に関与し続けました。

イトマン問題

巽は住友銀行の頭取在任中、イトマン問題にも深く関与しました。1990年、イトマンは不動産事業に進出し、巽は経営の危機に際して重要な決断を下しました。しかし、イトマンの社長が不動産投資を続ける意向を示したため、巽は苦境に陥ります。結果として、住友銀行はイトマンの再建支援に動き出し、その結果、イトマンは住友金属工業系の商社と合併することとなります。

その後の活動

巽は1997年に住友銀行の会長となり、その後は相談役として活躍しました。2003年には三井住友銀行の名誉顧問に就任し、ビジネス界に多大な影響を与え続けました。彼のキャリアは日本の経済界における多くの重要な出来事と重なり、実業家としての功績は高く評価されています。

最後に

2021年1月31日、巽外夫は老衰により97歳でこの世を去りました。彼の業績は日本の実業界において非常に重要であり、未来の世代に影響を与えるものとして語り継がれています。彼の生涯は、激動の時代におけるリーダーシップの重要性を示しています。

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